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Lvが1.2Gでした  作者: ねろっと
クリスとの出会い
7/92

共同墓地の地下施設でアンデット退治

初投稿の小説ですので、表現誤り、誤字脱字等があると思います

 教えていただけると助かります

-共同墓地-

 日没後に、リバーサイドの共同墓地に向かった。

 冒険者ギルドが、日中に墓地に行くと墓参りをする人と鉢合わせになる可能性があるという理由で禁止しているからだ。


「夜の墓場は、やっぱり気味が悪いな。

 何か出てくるんじゃねぇだろうな」


「ゾンビは燃やせるけど、悪霊のたぐいはダメなのよね」


 口に出したジェニーさんやシャーリーさんだけでなく、他のメンバーも夜のお墓は怖いようだ。

 夜の墓地は、アンデットがいなくても不気味だ。

 現在9月初旬なので、肝試しのシーズンは少し過ぎているけれどね。


「幽霊なんてオカルトだろ。

 アンデットは、聖女様の力で何とかなるし、それ以外の魔物は、俺が退治してやるさ」


 フレッドさんは根拠のない強がりを言っているが、幽霊とかオカルトって、もしかしてこいつ日本人かな?

 鑑定盤が日本語で表記されているし、もしかして、異世界転生や転移はたくさんいるのかな。

 機会があったら聞いてみよう。




-地下施設-

 地下施設の入り口から階段を下りて中に入っていく。

 階段を下りていくと、雰囲気が陰気な感じに変わり、酷い腐臭がする。

 臭いの先から、腐乱した死体が3体こちらに向かって歩いてくる。たぶん、ゾンビだろう。

 クリスさんが祈ると同時に、ゾンビは崩れていった。

 呪文は詠唱があるのに、浄化には詠唱が無い。

 無詠唱でアンデットを倒すとか、聖女の力ってスゲー。

 シャーリーさんが、風の聖霊魔法『空気浄化』で臭いを消してくれる。

 そのまま、地下施設を進むが、遭遇したアンデットは、みんなクリスさんの聖女の力で浄化した。


「やはり、アンデットは聖女の力の前には、虫けら以下だな」


 フレッドさんは、何もしていないのに、自分の手柄の様に自慢している。

 クリスさんが、露骨に嫌そうな顔をしているが、フレッドさんは気が付いていない。

 この人は何も考えないで発言しているのだろう。

 クリスさんは、聖女として特別扱いされるのが嫌みたいだ。



-地下施設のミイラ-

 地下施設を進んでいくと、大きな部屋に出た。

 大きさは、学校の教室ぐらいだろうか。

 真ん中に立派な細工のある棺があり、棺の蓋がずれていき、中からミイラが出てきた。


『我の眠りを妨げる不心得者よ。

 我の代わりに永遠の眠りに就くがよい』


 そりゃ、無断侵入されて暴れて起こされたら不機嫌ですよねぇ。


「おい、ミイラ男

 こっちには聖女様がいるのだ。

 このミイラも、聖女の力で土に戻しちゃいなよ」


 フレッドは、死者への尊厳が無いのだろうか。

 クリスさんが祈ったが何も起こらない


 しばし沈黙状態が続いた後、ミイラが(口は包帯で固定されて喋れないはず)、自信満々にしゃべる。


『笑止。

 貴様程度の力では、我を滅することはできぬ。

 聖女には、闇属性が効かぬゆえ、コレを喰らえ。

 土の聖霊よ。我の願いを顕現せよ。ストーンブラスト』


 ミイラの周りにこぶし大の石が複数発生した。

 クリスさんが危ない!!

 反射的に、クリスさんの前に盾を翳して立ちふさがる。

 砂埃が、煙のように舞い、石が次々に襲ってくる。

 魔法だけれど盾で防げるみたいだ。盾をすり抜けた石が当たると少し痛い。

 石の襲撃が終わったとき、ミイラの声が聞こえる。


「ナヌ!我の邪魔をするか。

 では。闇の力だ。

 闇の力よ。槍となりて、あの者を貫け。ダークジャベリン!!」


 砂煙が消えた時に、黒い槍が襲ってきた。

 あれ?

 盾をすり抜けて、直撃したみたいだけれど、痛くもなんともない。

 ミイラも、パーティーのみんなも、私も唖然としている。


『我の魔法が効かぬか。

 お主は何者!?』


 ミイラがビビって先に声を出した。


「じゃあ、こっちの番だね。

 炎の精霊よ。我の願いを顕現せよ。ファイアーサークル!!」


 シャーリーの声とともに、ミイラの周りに炎が出現する。


『あちっち。

 お主ら、我の弱点を見破ったのか。

 早く火を消せ無礼者ども。

 うわぁ。燃え尽きてしまう。やめてくれー』


 ミイラは、死体を乾燥して包帯を巻いているから燃えやすいのは、周知の事実だと思う。

 弱点を見破るというか、見ればわかるでしょうに。

 案の定、勢い良く燃え、周りの副葬品も燃え出した。

 このままだと酸欠になるかも。


「おい、酸欠になるぞ。

 全員退避しろ!!」


 フレッドが号令をかけると、みんなでダッシュした。

 地下施設の奥からミイラの断末魔らしい叫びが聞こえたけれど、今は、脱出が優先だ。




-地下墓地-

 地下施設から出て、休憩していると、フレッドとシャーリーが言い合いをしている。


「密閉した部屋で物を燃やしたら酸欠になるだろうが!!」


「酸欠って何さ。風の精霊に部屋を浄化してもらうから大丈夫だよ」


 フレッドは酸素とか燃焼とか言っているから、やはり、私の居た世界から来たのかな?

 あと、風の精霊の力で酸素の補給ができるのね。

 この世界は、魔法があることが前提になっているのかも。

 この後、地下施設に戻って確認することにした。




 ミイラの魔法を受けた私と、治療を担当するクリスさんは墓地に残った。


「フィルさん。

 私のために、無理をしていただきありがとうございます。

 どこかお怪我はないでしょうか」


 クリスさんが体に怪我が無いか確認しているが、かすり傷や打ち身以外に無いようだ。


「クリスさん、ありがとうございます。

 ひどく痛むところはないみたいです」


「大きな怪我は無いみたいですね。

 小さな傷や打ち身も治させていただきます。

 あと、特別にクリスと敬称なしでお呼びください。

 その代わりに、フィルと呼んでもよろしいですか」


「クリス。

 治療ありがとうございます。

 フィルで良いですよ。

 これからも、よろしくお願いいたします」


 そのままクリスさんと良い雰囲気になったころ、


「おーい。そこの二人。

 乳繰り合ってないですぐ帰るぞぉ」


 と、シャーリーさんからお呼びがかかった。

 二人で、顔を見合わせて赤くなる。


 そのあと、ジャニーさんとパティーさんに、「今日は二人の記念日だね」「今晩の部屋は二人相部屋で良いよね」「立会人は、墓地の皆様かな」「出会って恋に落ちるまで半日とか、若いってうらやましいね」と散々つっこまれる。


 あんたら、話題が無い田舎のおばちゃんと同レベルだわ。


 どうやら、ミイラの居た部屋が一番奥だったらしい。

 ミイラの居た部屋は黒焦げで、金目のものは残っていなかったそうな。


「戦利品は持ち帰り禁止だから、まあいっか」とはフレッドの弁。


 まだ夜なので、宿で一晩泊まって、翌朝に冒険者ギルドに報告することになった。

 宿は、野郎のフレッドと相部屋だったけれどね。

読んでいただきありがとうございました

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