ゴブリンクイーンを探せ
-1/12 高級レストラン-
冒険者ギルドに行っても、昨日の決闘の件でいろいろ陰口を言われるだろうから別の事をすることをする。年末にクリスの怪我の件でお世話になった、リュドヴィックさんとデュポア未亡人を高級レストランのランチに招待しよう。
お金は、昨日の決闘で賭け金の5%が手元に入ったので、それを充てる。
「若いのに、しっかりしていますわね。
おいしそうな料理ですので、冷めないうちにいただきます」
「いつも一人で食べていたから、これだけ人がいると緊張するな。
せっかくのご厚意なので、ありがたくいただきます」
お二人とも感謝してくれて、お話をしていたが、話題が昔の話ばかりになり、そのうちに、二人だけで話をして、こちらはクリスと話をする形になった。
上機嫌な2人を横目に、クリスと昨日の決闘の話などをする。彼らが数十年前の話をしているのに対して、昨日の話だ。やはり年代が違うと話題が異なるよりも、生きている時間軸が違うことに起因しているのだろうか。
ランチの後、2人と別れて、装備品や携行品を見繕うことにする。
これまで金欠で、買い替えどころか修繕もままならなかった物も多数あり、もはや修繕するよりも買い替えた方が安くなっているため、ほぼ買い替えてしまった。オーダーメイドにするにはお金と時間がかかるため、既製品のサイズ調整で済ませる。防具一式を買い替えたおかげで、昨日の儲けはほぼ消えてしまった。
クリスは、地味目の装備になっていて理由を聞くと、『聖女様ともてはやされていて、目立つ格好だと怖い』とのこと。年末に襲われたし、昨日の決闘で聖女補正がかかるのを見れば仕方ないと思う。守護者としては、そう言うところも、きちっとガードしていきたいな。
-1/13 冒険者ギルド-
2日ぶりに冒険者ギルドに顔を出す。
陰で、コソコソ言う奴もいるが、無視しておこう。
「クリス。
急用があるけど、予定は空いている?」
ティナさんが、クリスを見かけて話をしてきた。
どうやら、6日にクレアモン村の手前の集落のゴブリン退治を受けたランク1の4人パーティーが戻ってきていないそうだ。片道2日半で、昨日か今日の午前中には帰ってくる予定だそうだ。
そもそも前の冒険者ギルドが調べたため調査がいい加減なうえに、ゴブリンクイーンの話が出てきたため、ホブゴブリンやシャーマンがいる可能性が高くランク1では危険と判断していて、急遽救出のクエストを依頼したいそうだ。
ところが、一昨日の決闘の賭けで負けた冒険者は、昨日までに何かクエストを受けていて、今フリーのパーティーが居ないそうだ。しかも、急ぎの依頼なので、パティーさんやグエンが帰ってくるまで待てない。
「私が、ここで手伝う仕事は、ゴブリンクイーンの討伐依頼までですので、パティーさん達が戻ってきたら、私が事情を話ししてクレアモン村に向かいますよ。
私も、身体を動かす仕事に戻りたいです」
スタンが話に加わってきた。
今回の私たちの行動は、救助依頼と、ゴブリンクイーンに関する調査だそうだ。
スタンは16日に出発することにしてパティーさん達が冒険者ギルドに戻ってきた場合は事情を説明し、クレアモン村まで向かい合流する予定にした。逆に、私たちが、移動中に合流した場合は2日目の宿に情報を残すように打ち合わせをした。
ゴブリン退治に向かった冒険者パーティーの人相等を確認したときには、ココとアムールさんも準備が整っており、お昼に出発することにする。
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依 頼:ゴブリンクイーンの調査
ランク:指名のため不問
場 所:リバーサイドから東に徒歩2.5日の集落周辺
内 容:その集落からクレアモン村周辺のゴブリンの調査
注意点:ランク1パーティーがゴブリン退治に出かけて帰ってきていないため、救出依頼も含む
報 酬:最低2,000エキュ ランク1のパーティーを救出した場合は、1人当たり1,000エキュ
※ 普通の生活1日分が10エキュです
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-リバーサイド郊外 東の橋から野営地-
お昼に出発したため、東の橋を渡り切った頃には日が暮れだしていた。
クリスが、半年前の災害で亡くなった人の霊がいるか確認したいと言ったため、少し休憩することにした。その間に、橋の上から川の水に向かって、量子核魔法の練習をしよう。1gをエネルギーに変換したところ大惨事になったので、1mgにする。空気に比べ、水は密度が高い分、衝撃を緩和できるだろう。ところが、動く水を変換するのが難しいのか、気泡が1つ出来ただけだった。十数回繰り返したところ、最後に、川に大きな石を投げ込んだような爆発が起きる。
当たり前だが、みんなが、音のした方を見つめて大騒ぎになる。
私も驚いたふりをしてごまかすが、この魔法は練習する場所を確保するのが難しそうだ。
「誰かが鎮魂したようですね。
野営地まで、もう少し距離がありますし、急ぎましょうか」
大騒ぎの後、クリスが再び霊を探すが、橋の周りには見当たらなかったようだ。橋を降りて川沿いに進めば、成仏していない霊もいると思うが、今回は急ぎの件があるので、諦めることにする。
そのまま野営地まで進むとすでに日は暮れていた。既に野営をしている人達がいるので、隅っこで野営をするしかないと思っていたが、思ったよりも空いていている。
「東に帰省していた連中が、戻ってきてないのかねぇ」
本来は野営を行う時点で、ご近所さんになる人たちと情報交換をするが、今回は夜遅くできなかったのでそのあたりの事はわからない。東部で災害か事故でも起きたのだろうか。
東の方に里帰りしたパティーさんやグエンが気になる。
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