年の瀬
季節が逆転して書くと、良くないですね
できるだけ同期できるようにしたいけど、いくつか伏線を巻いてしまったので、直ぐには解決できないかも
-ジェイムズ・ド・スタール邸 個室-
クリスの個室に移動し、クリスの治療を行う。顔以外の箇所はすでに治ったので、顔に触れながら治療を行っていく。
「たぶん、あと10日くらいかかると思います」
申し訳なさそうに言うが、悪いのは襲撃したテロリストでクリスに責任はない。
今にも泣きだしそうなクリスを見て、治療後に優しく抱きしめる。
「気長に治していこうよ。
クリスが気にする事は無いから」
「ありがとう。
フィルが守護者で良かった」
私の肩が濡れるが気にしない。
その後、わずかな荷物を整理して、今後の予定を確認する。
日本の正月の様に、あいさつ回りの風習はあるみたいだ。ジェームズ帝の場合、親戚や皇帝就任前に付き合いのあった人のみだそうだ。
いろいろ転々として疲れたし、数日はゆっくり休みたい。
-ジェイムズ・ド・スタール邸 食堂-
夕食は、皇帝陛下も含めて警備の冒険者たちと一緒に食事をとる。
どうも、私も警備の冒険者にカウントされて屋敷の護衛もするらしい。
食事中は、それぞれの冒険談で盛り上がった。その中でゴブリン退治が話題に上がり、殆どのゴブリンが、シャーマンやホブゴブリンがいたらしい。
「たぶんゴブリンクリーンがいるのだろう。
10年に一度ぐらいの割合で発生する厄介な存在だ」
ゴブリンクイーンは、女王蟻みたいな存在らしく、ゴブリンの卵を産むコロニーを作るらしい。しかし、そのままだと増殖する個体数の食料が維持できないため、小集団が周囲に拡散していくそうだ。これまでも、ゴブリンクイーンの存在が予想された場合、帝国が冒険者ギルドを通じて、クイーンの討伐と周辺ゴブリンの掃討を行うため、招集をかけるそうだ。
なぜ、ゴブリンクイーンが発生するかは不明で、聖女が闇落ちした存在という噂まであるらしい。
ゴブリンは哺乳類か、それに近い胎生の生物と思っていたが、卵でも増えるのは驚きだ。どんな出産方法なのだろうか。
「ゴブリンの卵と言うことは、まさか、口から吐くとかじゃないよね」
軽い冗談のつもりで言ったところ、思いっきり笑われた。
クイーンは、通常のゴブリンに白アリの女王のような大きな腹部が尻尾の様についていて、そこから産卵するらしい。卵から生まれるゴブリンも、蟻みたいな生態のゴブリンも聞いたことが無いので、知らなくたって良いじゃん。
ふつうは、ゴブリンの大量繁殖に気が付いて討伐されるが、増殖力の強いコロニーが国を滅亡させたことがあったそうだ。
10年前のピカルディー王国との戦争中に、帝国東部でゴブリンクイーンのコロニーが発生し、いくつかの貴族領がゴブリンに制圧されたそうだ。皇帝の敵討ちを主張する強硬派に戦争終結を認めさせる要因だったらしく、停戦後に、軍隊が西から東に移動して、1,000匹以上のゴブリンを殲滅させたそうだ。
それからゴブリンクイーンは帝国に現れていないらしい。クレアモン村のゴブリンの件がゴブリンクイーンの場合は、10年ぶりのうえに、クレアモン村より先は、丘陵や森林地域となるので、軍隊は派遣しにくいらしい。
冒険者ギルドが機能していないのがので、不正を調査しているオリヴィエ卿が、調査を指揮する可能性が高いそうだ。こんな時に正常に機能していない冒険者ギルドは社会のデメリットでしかないような気がする。
食事後は、10日までの警備のスケジュールや訪問者の確認を行う。
こうして、今年は終わっていく。
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