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Lvが1.2Gでした  作者: ねろっと
聖女を護れ
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聖女救出(7)

豪雨災害で被害にあわれた方にご冥福をお祈りします

-下水道遺跡-

「向こうの方で誰かが戦っているようだよ。

 悲鳴も上がっている。助けに行こう」


 パティーさんが何かに気が付いたようだ。

 全員で音がする方に向かう。火の玉が見えたりするので戦闘をしているようだ。見覚えのある声もする。


「敵はたぶん、蜂だと思う。

 みんな注意して」


 近づくとフレッドたちが、大きな鉢の群れと戦っていた。周囲には、10名近くの冒険者が倒れている。


「僕のMPはもう限界」


 シャーリーは、疲労困憊の様だ。焼け焦げた蜂が沢山いるから、かなり頑張ったようだ。とにかく蜂が多く、蜂の巣を突いたのだろうか。


「みんな、地面に伏せろ。

 吾輩のストーンブラストで、蜂の羽を砕く。

 土の精霊よ。吾輩の願いに応え砂礫を召喚せよ。

 砂礫よ。通路の向こう側まで舞え!!」


 帝都の冒険者のほとんどが、グエンが味方を巻き込む魔法を使うことを知っているから、グエンの叫び声とともに、みんな地面に伏せた。

 通路に砂礫がまんべんなくに散乱していた。当然、みんなダメージを食らっただろう。


「自爆魔め」「また、味方を巻き込む魔法を使ったのか」「蜂の次は砂の襲撃か」「目と口は閉じたけど、鼻に入っている」


 うわぁ。また散々な結果になっている。

 これは、スタンもフォローできないと思うぞ。


「皆さん、すみません。

 吾輩の故郷にも、同じような大型の蜂が出るのですが、この方法が一番確実なのです」


 グエンが恐縮しながら釈明している。

 先ほどまで罵声を飛ばしていた面々も、蜂が居なくなったため、今回はグエンの判断を認めている。

 クリスとカティーさん、あとから駆け付けたジェジェとパシオンが負傷者の治療にあたる。聖女本人の治療以外に守護者の役割はなく、手持ち無沙汰になっていたころにフレッドが近づいてきた。


「フィル。モンフェラートの坊やは何をしたのか?

 冒険者ギルドが捜査中だし、ガブリエル卿が帝都に現れるのも異常だろ」

「カティーさんがクリスに聞いた方が良いかも。

 ガブリエル卿とオリヴィエ卿の話の場にいたけど、一か月が甘かったり妥当だったり意味が解らなかったよ」


 フレッドには申し訳ないけれど、本当にわからない。

 

「そうか。

 モンフェラート家の家庭事情は複雑だから、仕方ないさ。

 あのカティーとクリスの2人は従兄妹だけど、カティーがクリスを異常にライバル視しているから仲は悪いから聞くことはないだろ。

 そうそう、カティーによるとモンフェラート大公は体調がかなり悪くて、もうじき退位するらしいぞ。 次の大公は、ガブリエルかオリヴィエが即位するらしい。

 だからこそ、何があったか知りたいのさ」

「フレッド、皇帝は皇子か皇孫で能力の高い者が即位するよね。

 次の大公がモンフェラート大公の息子たちと言うことは大公位世襲なのか?」

「違うよ。大公も皇帝と同じで、皇子皇孫の中から選ばれる実力主義だよ。

 ガブリエルはこれまでの実績があるし、能力も申し分ない。

 ただ、カティーの兄貴だが、俺様は、どう凄いかは、わからない。これはカティーに言うなよ。

 話を変えるが、クリスは、カティーの母方の従姉妹だろ。

 そうなると腹違いの兄のガブリエル卿はクリスとは従兄妹じゃない。モンフェラート家は兄弟が100名以上あるのに、なんでガブリエル卿はクリスと親しいんだ?」

「クリスの父親がガブリエル卿に武術を教えたらしいよ。

 そして、私は、年末にその父親にクリスとの交際の許可を貰いに行く。

 元冒険者で10年前にはガブリエル卿よりも強かったらしい。

 この世界で新年を迎える自信が無いよ」

「ご愁傷様。

 ガブリエルより強かったって、そりゃ化け物クラスじゃないのか。

 亡くなったら、カティーに浄化してもらうようお願いしておくよ。

 俺様も、同じようにモンフェラート大公に挨拶に行くけど、閣下は体調が悪いから直々に殺されることだけはなさそうだな。

 俺様が公爵を継げば、カティーの子供は公爵位が保証されるから、フィルよりは条件がよさそうだし。 ガブリエル卿がカティーの実兄じゃないのも救いだな」


 フレッドに縁起でもないことを言われた。

 そんな雑談をしていたところ、負傷者たちの治療が終わった。RPGゲームなら回復が終われば、直ぐに戦線復帰できるが、この世界では難しいようだ。しかも、精霊術師たちの残りMPも少ない

 さらに、パティーさんによると、通路の先に下り階段があり、そこに蜂の巣があるようだ。しかも、まだ蜂がいるようだ。


 これ以上の探索は難しいと判断して、今日の探索はお開きになった。


-迷える子羊亭-

 昨日、トゥルヌソルとレーヌと一緒に食事をとった店に向かった。

 値段は安いが、衛生的でサービスが良い店だ。今回は、レーヌとフレッドのパーティーとジェジェのパーティーが集まった。

 食事が終わり、蜂の攻略の検討が始まった。

 煙や炎などの案が浮かんだが、水路脇の通路と違い、階段の先は空気が滞留しているため、採用できなかった。その後も、色々な案が出ては、消えていった。


「お兄様。なんでこちらにいらっしゃったのですか!!」


 カティーさんが、驚いて声を出した。

 カティーさんの兄さん?振り返ると予想通りオリヴィエ卿がいた。


「冒険者諸君。

 聖女救援を手伝っていただき感謝している。

 今は、私人として、君たちに依頼に来た。

 ああ、回りくどい事はやめる」


 いきなり、オリヴィエ卿のぶっちゃけトークが始まった。

聖女がターゲットになった事件で、聖女協会が委縮してしまい解決するまでは、聖女の派遣が取りやめになり、年末のイベントを中止するらしい。色々なところに影響が出ているので早期解決したいらしい。しかも、冒険者ギルドの職員が関与しているらしく、犯人側に情報流出することを恐れて直接依頼に来たそうだ。

 オリヴィエ本人は、準備周到な誘拐事件なのに、どこにも身代金の請求がなく、違和感を覚えているらしい。下水道遺跡に聖女が捕らわれているか明日中に確認して欲しいそうだ。そこで、蜂の巣が障害になっていることを伝えたところ、明日10時に下水道遺跡の入り口に、対応できる人物を用意させるとのこと。

 

「お兄様。

 ニニとロロは妾の聖女養成所の同期でございます。

 捜査の状況か予測がございましたら、教えてくださいませ」


『カティー。

 スタニスラスの様になりたいか』


 カティーさんが意外な返答に呆然としている。オリヴィエ卿は、カティーさんの様子を無視して、『明日の10時だ。健闘を祈る』と言い残して立ち去って行った。


「要件だけ述べてそれで終わり?」「兄弟なのに凄いな」「仲が悪いのかな」「蜂は、どう解決するのかな」


 オリヴィエ卿が立ち去った後、食堂は、蜂の巣を突いたような騒ぎになった。

 カティーさんへの対応が問題ないと思っているのは、ガブリエル卿とオリヴィエ卿のやり取りを知っているクリスと私だけだろうか。カティーさんの方を向くと、涙を流していて、フレッドが慰めている。

 皇族って大変だな。


お読みいただきありがとうございます

誤字脱字がありましたら、教えてください


ブックマーク、評価ありがとうございます

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