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Lvが1.2Gでした  作者: ねろっと
聖女を護れ
44/92

聖女救出(5)

更新が遅くなりまして申し訳ございません

投稿内容が膨らんで時間がかかりました



26話 再訓練が終了 にスタンのステータス追加

-12/13 リバーサイド 宿屋-

「あれ?

 今日は、魔力が全然流れてこないね。

 クリス、体調が悪いの?」


 毎朝恒例になっている胸の治療だが、クリスから魔力が全然流れてこない。触る方向を変えたり、揉んでみたり、色々と試してみたが、やはりクリスから魔力が流れてくる気配はない。女性の胸を真剣な表情で触ったり揉んだりしてくる相方(フィル)、それを心配そうに眺める女性(クリス)、元の世界だと、相方の乳がんチェックをしている感じに近いだろうか。


「聖女は、治療する時に魔力を消費します。

 治療できない場合や必要が無い場合は、魔力は消費しません。自分自身の治療も同様で、守護者に魔力が流れないそうです。

 養成所で習いましたが、自分自身の事になると自信が無いです。

 フィル。傷跡が残っているか、確認してください」


 クリスのお願いなので、左胸に傷が無いか慎重に調べる。いろいろな角度から見たり触ったり揉んだりするけれど、性的な興奮はない。


「クリス、傷跡も、触った感じの違和感もないよ。

 完全に治っている。おめでとう」


 もう少し、格好良いセリフが言いたかった。

 クリスの表情が明るくなる。


「フィル。今までありがとう。

 本当に治ったか不安だから、あと2、3日お願いしてよろしいでしょうか」


 そう言ってクリスが抱き着いてきた。右手の手掌がクリスの柔らかく張りのある左胸に埋まっていく。その感覚は、先ほどと違い、至高なもので、下水道遺跡に行く準備をしないで、もう少しこのままでいたい。


 ドンドン

 ドアを強く叩く音がする。

 クリスが我に返って、慌てて法衣を纏う。


「帝国憲兵隊だ。

 昨日発生した聖女誘拐の件で事情を聴きたい。

 1時間以内に帝都第3憲兵事務所に出頭するように」


 憲兵はドアの向こうから用件のみを告げて去っていった。

 部屋に居なかったらどうするつもりだったのだろうか。




-リバーサイド憲兵事務所-

 憲兵事務所に行くと机と椅子しかない無機質な取調室みたいな部屋に案内された。すでにトゥルヌソルのメンバーとスタンとグエンが居て、他に、憲兵が数名と近衛兵1名とガブリエル・ド・モンフェラート卿がいる。たしか、ガブリエルはスタンの実兄だったはず。

 2m以上ある偉丈夫のガブリエルが、スタンにダッシュで近づくといきなり殴りつけた。


「実力主義の帝国で親の名前を出したか。

 それも、一度でなく何度も。

 悪いが帝国法によりスタンを拘束する」


 クリスが2mほど吹き飛ばされたスタンの元に駆け寄って治療をしている。口のあたりを殴られたらしく、出血している。ガブリエルほどではないが大柄な近衛兵がガブリエルの命に従って、スタンに手錠をつける。

 この世界は親の七光りが通用しないどころか法律で罰せられるのね。

 手錠をつけた確認したガブリエルが近衛兵とスタンとクリスと私以外の全員を部屋から退出させた。


「兄上。

 その法律は知っていますが、ここ100年ぐらいは、機能していない」


 スタンは必死に言い訳を述べるが声が頼りなく震えている。


「なぜ機能してないか真実を教えておこう。

 そう言う皇族は、影で処分しているからだ」


 スタンの顔から血の気が引いていくのが見える。

 ガブリエルの命令で、近衛兵はスタンを担ぎ、先ほどのメンバーが退出した部屋とは別の部屋に退出する。クリスと私は、蛇に睨まれた蛙の様に何もできず、近衛兵がスタンを連れ去るのを眺めているだけだった。


 静けさが続いたあと、憲兵たちが退出したドアからノックをする音がする。

 こちらの返事を待たずにドアが開き、2m近いイケメンの偉丈夫が入ってきた。


「お久しぶりです。ガブリエル卿、クリス嬢。

 会うのは2度目ですが、初めましてですね。守護者のフィリップ様。

 私はオリヴィエ・ド・モンフェラート。土木局の長官で近衛兵です」


 こちらも挨拶をするが、モンフェラート?ガブリエルの弟だろうか。あれ?どこで会ったのか、思い出せない。


「次期大公は、ガブリエル卿しかいません。今回のスタニスラス(スタン)の件は困ります。どのような処分にするのですか」

「オリヴィエ卿、貴殿の方が(大公に)適任だろう。

 甘いと思われるが、スタンは1月以上の再教育とする」

「甘すぎる!

 もうそろそろ、(大公が)退任されるのです。

 ライバルに知られたら、大変なことになります。

 (スタンの再教育は)最低3カ月以上は必要です」

「今から1か月以上。休みは無しだ」

「今から休みなしですか。

 それなら、目は瞑りますが、今後、このような軽率な行為をとらない様に厳しく指導をお願いいたします。

 さて、誘拐と冒険者ギルドの件は憲兵隊の所管でよろしいでしょうか」

「ああ、軍が動くとなると越権行為になるな。

 私も忖度される対象だったな。

 オリヴィエ恩に着る」


 ガブリエルとオリヴィエの会話が終わったあと、ガブリエルが部屋から出ていった。話のキーとなる複数の単語が解らず、内容が分からないが、緊迫したやり取りだった。

 なぜ、一か月の再教育が、休みなしになると厳しくなるのだろうか。兄弟の間の話だからよくわからないし、関与してはいけないのだろう。


「身内の恥で、申し訳ない。

 聖女誘拐と冒険者ギルドの件で事情聴取を行います。

 クリス嬢は私の従妹なので捜査できませんし、他の者では忖度する可能性があります。そこで、守護者であるフィリップ様を聴取いたします。

 この部屋は大きすぎますので、クリス嬢と一緒に別室にお願いします」


 モンフェラート大公の子供は120名ほどいて、ガブリエルとスタン、オリヴィエとカティーがそれぞれ実兄弟だそうだ。なるほど、オリヴィエとクリスは従兄妹になるわけか。

 




-取調室-

 3m四方ぐらいの長机1つと椅子が5つある部屋に案内された。

 オリヴィエ卿と憲兵2名、クリスと私が向かい合って座る。


「フィリップ様。フィルと呼んでも良いかね。

 初めてお会いしたのは、災害復旧の現場の飯場です。

 土木工事で手を抜くのは、作業員の人数、賃金、食事、材料がほとんどです。

 私は抜き打ちで現場に出て確認していますので、そこでお会いしたのです。

 実は、現場で無傷で発見された異世界人を見たかったから、日時と飯場は調整したのです」


 長官と言う立場なのに気軽に話しかけたのは、仕事内容やご飯の量を調査するためだったのね。


「えっと、長官は異世界人の見学ですか」


 恐る恐る聞いてみる。


「異世界人に興味があり、現場も把握できましたので一石二鳥でした。

 ただ、気を悪くしないでください。

 私が興味を持ったのは、異世界人が、この世界に溶け込めるかどうかです。

 あなたは、きちんと溶け込めた。今後も大丈夫でしょう。

 さて、本題の冒険者ギルドの件に入ります」


 ゴブリン討伐、指導役のジョナタンなどを伝えた。

 それに対して、オリヴィエが、冒険者ギルドの帳簿を元に、不正を説明してくれた。討伐依頼の際に必要な事前の確認役がいないこと。存在しない人間に給与を支払っていたこと。冒険者ギルドの資産の一部が無くなっていることなど。

 それを裏付ける証言を集めているそうだ。

 そして、今回の聖女誘拐事件で、護衛などの情報を流した人物を特定したい様だ。

 やはり冒険者ギルドは真っ黒だったのか。




-憲兵事務所近くの食堂-

 冒険者ギルドが閉鎖され、多数の冒険者パーティーが憲兵隊に召喚されたため、順番待ちやメンバーを待っているパーティーが近くの食堂に待機している。

 待つ以外にすることが無く、お互いの情報を交換している。

 討伐依頼で、討伐対象が異なった経験のあるパーティーが結構いた。しかも、毎月20名以上が死亡している。そりゃ、討伐対象を確認していなければ、そうなりますね。

 聖女誘拐事件は、馬車はリバーサイド郊外の西の方で見つかったらしい。下水道遺跡は、リバーサイドができる前から存在しているらしく、2m以内の中小型の生物や魔物がいて、ギミックがあるらしい。

 昼食時にスタンの事をパーティーメンバーに説明する。グエンの顔が真っ青になっている。

 さて、ニニとロロを救出するために下水道遺跡に向かおう。

お読みいただきありがとうございます

誤字脱字があれば教えてください


ブックマーク評価ありがとうございます

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