聖女救出(3)
すみません。日和りました。
生贄を捧げると、カルマが落ちる設定のため、トゥルヌソルと和解し逃走する話に変更しました
前話の最終行を変更します
=共同墓地-
地下施設から出ると、外は昼とは思えないほど暗くなり細かい冷たい雨が降り続いている。雨で地面が滑りやすくなり、クリスが足を滑らせて転倒する。地下施設の奥からグレートソードを持った2m近い大柄な女性戦士がこちらに向かってくる。
「貴様ら、仲間に何をした。
この卑怯者どもめ」
いや、待ち伏せしていた人に言われても困ります。
グエンを降ろし、クリスの前に行き、アムールを迎え撃つことにする。
「フィル。
アムールとの一騎打ちは実力の差がありすぎる。
他のみんなと協力をしろ」
いや、一騎討ちはしたくないけれど、クリスを見捨てられない。アムールのグレートソードは一撃が重く防戦一方となる。ココとスタンも加勢してくれるが、簡単にあしらわれてしまう。
「俺達も加勢するぞ」
トゥルヌソルもこちらの加勢をしてくれる。
クリスが、パティーさんに抱えられながら、トゥルヌソルのローブの男を治療している。
「てめら裏切りやがったな。
いいだろう。まとめてなぎ倒してやる」
グレートソードを軽々と振り回し5対1でもほぼ互角の戦いをしている。こちらの攻撃も当たっているが有効打が少なく、アムールは大振りをせず、剣撃だけでなく、体当たりなども使用して、こちらのメンバーにダメージを与えていく。
十分ほど経つと、アムールは体力を消耗し肩で息をするようになっているが、こちらも戦えるのは私とココだけになっている。
パティーさんが何かをアムールの顔面に投げ、黒い粉が舞う。目潰しか何かだろう
「ウワァ。
目が見えぬ。
卑怯ものどもめ」
媚薬などの薬に目潰し。卑怯者と言われても否定はできない。
「アムールさん。
あなたは、誰に頼まれて、私たちの命を狙ったのですか」
クリスの問いかけでハッとしたけれど、襲われると思って必死に抵抗しただけで、この人を殺す意味はなかった。
誰が私の命を狙っていたのか突き止める方が重要か。
「我々を警察当局に突き出さないのと、仲間の治療が条件だ」
仲間の治療・・・・・
ソーイエバソウダネ。
-地下施設内入り口付近-
雨で体が濡れて冷えてきたので、地下施設の中で治療を行う。奥にいるレーヌのメンバーは着衣が乱れているため、アムールとパティーさんが、濡らした布を口に当てて媚薬茸の粉を吸い込まない様にして回収した。
-トゥルヌソルの事情-
トゥルヌソルは、貴族の跡取り息子を自称する男が依頼者で、トワと言う女性が実際の連絡役だったそうだ。最初は軽い犯罪系の仕事だったはずが、トワに『裏切ったらレーヌが君たちを襲う』と脅迫されていたらしい。聖女の護衛役の冒険者を酔い潰して、聖女を攫い、聖女協会に虚偽の報告をして、我々を共同墓地の地下施設におびき出す働きをした。
うん、真っ黒だ。
元々、クエストの失敗でペナルティーを負い、退治クエストで一発逆転を狙ったところ、該当モンスターが存在しなかった。その場合、退治していないと判断されてペナルティーを課されるため、虚偽の討伐報告をしたところバレた。問題は、ペナルティーの内容などは、パーティー以外だとギルド職員しか知らないそうだ。
-レーヌの事情-
次にレーヌだが、隊商の護衛を主任務にするパーティーだったが、半年前にレーヌが隊商の護衛を行った際に隊商のメンバーから、アムールに犯されたと訴えられた。
当局の調べでは、隊商が新人いびりでアムールに告白させ、その結果を賭けにした。負けた1人が腹いせで訴えたのが原因だった。冤罪だったが、護衛対象に手を出すという噂が流れて、レーヌは護衛クエストを受注できなくなった。
トワと言う女から、悪い噂を流した連中をおびき寄せると言われが、予想と違うメンバーが来たとのこと。
予想したのは、ミラージュと言うパーティーだった。
ミラージュは、討伐クエストで該当モンスターが存在しなかったため、ペナルティーで金欠になり女性メンバー2名を娼館に売ろうとしたが、彼女たちがレーヌに移籍してトラブルになっていた。
噂を流した奴を問い詰めるだけのつもりが、いきなり薬を浴びせられたために、反撃したらしい。
パティーさんは謝らないが、替わりにクリスが謝っていた。やはり、エルフは反省も学習もしないらしい。パティーさんのカクテルは、媚薬茸以外にネゴト茸と幻覚作用と興奮作用のある薬を混ぜていたそうだ。
隣の部屋からパシオンの色っぽい声が聞こえる。レーヌのほかのメンバーはクリスが治療できたが、パシオンは聖女なのでクリスの治療だと聖女スキルが足りず治療ができないそうだ。1時間ぐらいで効果が切れるので、そこまで我慢してもらうしかないそうだ。
さらに、ジェニーの槍が話題に上り、アムールがジェニーの姉だったので槍を返そうとしたところ、槍が選んだ私に使いこなして欲しいと託された。アムールにジェシーの最期や埋葬した場所を伝えた。いずれ墓参りをするそうだ。
しかも、スタンが、ガブリエル・ド・モンフェラート卿の実弟だと知ってショックを受けていた。
ガブリエルは、アムールとジェシーがいた部族の英雄だそうで、しかも面識があるらしい。意外なところでつながりがあるのですね。
-冒険者ギルド-
レーヌとトゥルヌソルと私たちのパーティーの体験を基にすると、討伐依頼の対象がいないと言うことは、冒険者ギルドは対象の確認はしないのだろうか。
しかも、討伐対象がいないとペナルティーになる。
「討伐依頼の対象を確認せず、対象が居なければペナルティー、対象間違いで返り討ちにあったら自己責任。冒険者ギルドはおかしくないか」
スタンだけでなく、みんな同じ気持ちだろう。スタンが父親に話をすると言っていたが、改善されればよいなぁ程度の期待しか抱けない。
さて、攫われた聖女は何処に行ったのだろうか
お読みいただきありがとうございます
誤字脱字などありましたら教えてください
ブックマーク評価ありがとうございます




