クリスさんとの再会
初めての投稿ですので、
誤字脱字、設定のミスなどあると思います
遠慮なく教えてください
-3か月後の冒険者ギルド-
元の世界に戻れる方法もわからないので、昔の事を思い出すことは諦めた。
それは建前で、本音はスキル習得や文字の学習など、やらなければいけないことが多く、そこまで気が回らないだけだ。
この世界に来て3か月目に、ようやく冒険者ランクが登録でき、冒険者認識票、通称『冒険者証』を発行してもらった。
冒険者証いわゆるドッグタグには、名前と冒険者ランク、主なスキルなどが記載される。
名前はフィル、冒険者ランクは1、スキルはシールド1、捜索(屋外)1、鑑定(動植物)1と書いてあるらしい。
まだ文字が読めないから読んでもらった。
名前がフィル?フィリップの略称だけれど、もしかして私の名前だよね。
ギルドの受付、ルディーと言うおじさんが言うには、身分証に書いてあったらしい。
記憶喪失者には、身分証発行時に、名前を付けるらしい。
勝手に命名されたのね。
そう言えば、フィルと呼ばれていた気がする。
同期は、アランさん、パティーさんと辺境出身の怪力自慢のジェニーさんを含めて10名ぐらいだ。
アランは、聖女養成所を卒業したばかりの幼馴染みブリジットと一緒に故郷に旅立っていった。
パティーさんは、アーチャー3、捜索(屋外)4、鑑定(動植物)3もある。災害で登録が遅れていただけで最初からランク2らしい。
ジェニーさんもポールアーム2、解体3、鑑定(動植物)2もある。どちらも私よりも上だね。
仕事は、まだ読めない文字が多いので、ギルドの人に斡旋してもらうか、パーティーを組んで文字の読める仲間に探してもらうしかない。
そうなるとパーティーメンバーを集めるか、パーティーに加わるのが良いのだろう。
-パーティーに参加-
採集クエストが終わり、冒険者ギルドで一休みしていると、クリスさんを見かけた。
ファンタジー世界の法衣の様な格好をしている。
災害現場で助けていただいたお礼を言おう。
「クリスさん。
3か月前に助けていただきありがとうございました。
クリスさんも冒険者なのですか?」
クリスさんは、少しびっくりした様子だった。
失敗した、3か月も前に災害救助で助けた怪我人の一人を覚えているわけもないか。
確か聖女見習いだったと思うけれど、聖女の修行のために冒険者になったのかな。
「フィルさん、お久しぶりです。
聖女養成所を卒業して聖女になりました。
修行のために、冒険者ギルドに来ました。
フィルさんも冒険者なのですか?」
驚かせてしまったのに、笑顔でやさしく話しかけてくれた。
しかも、名前も覚えているみたい。
「ようやく、ランク1として登録したばかりです。
前衛候補ですが、まだシールド1だけです」
そう答えて冒険者証をクリスさんに渡す。
「シールド持ちで、、、、
あ、魔力操作があるのですね。
守護者に向いているかもしれませんね」
クリスさんがにっこりと笑って、冒険者証を返してくれた。
スキルを見て最初に凍り付いていた気がする。
さすがにショボ過ぎますよね。
守護者が何かわからないけれど、きちんとフォローしてくれるのがうれしい。
「聖女クリスティーナ様。
お仲間に加わりたいと言う者がいましたぞ。
あと、仕事の方も選んできました」
少し離れたところから、イケメンの騎士風の男が割り込んできた。
横には、女性魔法使いとパティーさんがいる。
パティーさんの実力ならどこにでも誘われますよねぇ。
「フレデリックさん。
仰々しい名前で呼ばないようにお願いいたします。
私は、単なる駆け出しでございます」
クリスさんは、持ち上げられて困っているような表情をしている。
「フレッドさんや。
回避戦士一人で、魔法使いと聖女とハンターを護れるのかね。
そこのフィルは耐久が高くて壁役に最適だぞ」
そんな雰囲気を察してパティーさんが、推薦してくれた。
ありがたいのだけれど、DEXが低くて武器スキルがないから、攻撃は当たりませんよ。
クリスさんと女魔法使いも同意したため、フレデリックことフレッドさんも同意した。
私にだけ聞こえるように『俺様のチーレムが』と言っていたけれど、チーレムって何だろう?
女魔法使いが、前衛がもう一人欲しいと言い、ジェニーさんも仲間に加わった。
読んでいただきありがとうございます