ネゴト茸
ようやく、冒険の章に入りました
-12/1 リバーサイド冒険者ギルド-
ようやく再訓練から解放された。
これから自由に冒険をしたいのだが、まずパーティー編成で横やりが入った。
私達と同時期に、例の熊パーティーともう一つ空中分解したパーティーがあり、ギルド側がパーティー編成に調整と言う名の介入をしてきたのだ。期間はギルド指定クエストノクリア報告までとなっており、何故かランク3の指導役が3パーティーにそれぞれ1名つく事になった。
指導役は、クエスト失敗のペナルティーでギルドから押し付けられたらしい。
編成は、クリスとココに、例の味方巻き込み土精霊術師のグエナエル・ド・レオノールと、ガブリエルとカティーの弟のスタニスラス・ド・モンフェラートに、指導役のジョナタン・ド・シャテルローと私で6名パーティー。
ジェジェは、3パーティー作るのに、1パーティーに聖女が偏るのはおかしいと別パーティーになった。
なんと、私のパーティーは、私以外はみんな貴族の子弟だった。貴族は一番能力のある者が相続するため、子供は、能力やスキルアップの機会が多い、冒険者や兵士や官僚になるのが多いそうだ。それに、仮に相続できない場合に冒険者や兵士や官僚なら生計がたてられる。
そして、クエストは、この前のゴブリン退治で行ったクレアモン村の近くだった。そこに3つのゴブリンの群れが沸いているらしい。
あの辺りはゴブリンが沸きやすい何かがあるのだろうか?
「なんで、子守なんてしなきゃいけないのか。
俺は、この町で遊んでいるから、さっさとクリアして報告して来いよ」
これは、指導役のジョナタンが最初の紹介で言ったセリフである。この男は、20代半ばで気位は高いが、やる気が感じられない。
そもそも、討伐クエストで対象を倒してもいないのに、討伐したと嘘の報告をしてバレたのに、反省の欠片もなく、懲罰クエストをやる気も感じられない。後で聞いた話だと、実家は子爵家だが、優秀な後継者候補がいたため、最初から人生投げやりだったそうだ。
ギルドも、こんな男が指導役だと、ごまかし以外に学ぶことはないと思うのだが、理解しているのだろうか。
-リバーサイド郊外 東の橋-
「この辺りは、数か月前の災害でたくさんの人が亡くなっています。
浄化や鎮魂を行うために、お時間をいただきたいのですが、よろしいですか」
「そんなものは時間の無駄。
たったとゴブリン狩って帰るだけ。
やりたきゃ帰りにやれよ」
ジョナタンは、クリスの提案を時間がかかるからとあっさり却下した。この人のカルマって、どうなっているのだろうか?クリスはかんかんに怒っている。
-リバーサイド郊外 東部野営地-
町の建築禁止ゾーンのため、野営地で一晩過ごす。お金のない私たちは、食料を収集して調理する。問題は、ジョナタン以外にグエナエルとスタニスラスも収集は行わない。貴族は雑務をしないと言っているが、それなら食べなければよいのに・・・・
頭に来たので、食事は調味料を抜いてやった。自分たちの食べる分だけ、調味料をかけて食べる。
夜はテントを張って寝るのだが、テントが2張だったので男女で別れた。私は、男なのだが、このテントは貴族専用と言われ追い出された。夜番のココが見つけて女性陣のテントに入れてくれた。おかげで、クリスの治療を野郎どもに覗かれなくて済む。
そのまま寝るとココに叩き起こされた。
「寝ている女性に手を出すのは不潔ですの」
え?身に覚えが無いのですが・・・・・
「フィルさん、そっちの胸は治療する必要が無いれす。
それに、おっぱいは食べモノじゃないから、舐めても味はないれす」
ココと顔を見合わせる。
私は何もしていないよね。
「寝言ですの?
実はクリスはドスケベだったですの?」
私に聞かれてもわからない。
これがクリスの素なのだろうか。
向こうのテントからも、3人の寝言が聞こえてくる。
おかしくないかな。
「フィルを最初に見つけたのは私なのれす。
異世界人だから、私が保護してあげるのれす」
言っていることが意味不明になってきている。
「もしかしたらネゴト茸が混ざっていたのかもしれませんの」
ネゴト茸は、寝たら本人の意思と関係なく、本人の意識と若干違うことを寝言として言うらしい。クリス以外の3人も寝言を言っているので、みんなの食事に混ざっていた可能性が高い。
「うちも寝たら、身に覚えのない寝言を言うのですの」
その前に、寝言が垂れ流しになっているクリスが可哀想だ。ぐっすり寝ているクリスには気の毒だが、起きてもらう。事情を話しして、治療する。次から料理する時は、変な物が混ざっていないか注意しよう。
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