噂好きの3聖女
-10/8 帝国リバーサイド練兵場 訓練所-
休暇が明けたので訓練場の訓練を再開する。
練兵場は常駐の聖女が不足しているので、フリーの聖女がアルバイトで参加している。
今回参加した聖女の中にクリスとカティーさんの同期でジュジュ、ロロ、ニニの三人が参加していた。この三人、お喋りばかりしていて、『汗臭いのが嫌』と言って何もしない。この人たちも、本当に聖女なの?
それに対して、クリスとカティーさんは、お互いに競うように治療をしている。
「あの二人、本当に仲が悪いわよね」「よくあんな汗臭いおじさんの治療できるよね」「わたくしは、下賤な者に触れたくありませんわ」「あんなに働いて頭がおかしいんじゃないの」
あなたたちは、ここに何しに来たのでしょうか。
-聖女休憩所-
3人聖女はクリスの治療時はパティーさんとは違う方向で喧しい。
「すでに男GETしている」「フィルって言うみたい。守護者とか羨ましい」「フィルは、災害の時の異世界人様じゃなかった」「フィルさまは、魔力操作持ち、耐久50越えでございましたね」
ん?
異世界人!?スキルと能力値も把握している?
何かすごく気になる。
確認しようと声をかけようとしたとき、外で、騒ぎの声が聞こえる。
「その聖女は、某にこそ相応しい。
守護者の座をかけた勝負を受け給え」
聖女をかけた決闘?
例の3人は、『きゃー、決闘よ』と言って現場に向かう。
クリスの治療が終わったので、二人で見に行く。
-訓練所-
杖を持った精霊術師がフレッドに決闘を挑むらしい。
クリスに聞くと、守護者をめぐる決闘は制度として認められているとのこと。
あれ?私もクリスをめぐって決闘に巻き込まれる可能性があるのかな。
「そんな心配をしなくても大丈夫ですよ。
聖女協会に、守護者の届け出を行えば、正規の守護者として認められます。
たしか、毎年1,000エキュかかるはずですので、お金が貯まり次第、届け出をしましょうね」
お金が貯まり次第か。いつになるのかな。
クリスが私の左側から抱き着いてくる。
「せめて、気持ちだけでも正規の守護者と聖女でいましょう」
自分の左手をクリスの肩に添える。
二人だけの世界を作っていたところ、決闘が終わっていた。
「お前ら、何やっているんだよ。
まさか、俺様の活躍を見ていなかったのか」
フレッドが呆れた顔でこちらを見ている。
悪い。全然見ていなかった。
「ああ、フレッド。
見逃したので、もう一度、戦って」
頼んでみたけれど、駄目だろうなぁ。
「リア充死ね」
そう言い放ったフレッドは、カティーさんから祝福のキスを貰っている。
どちらがリア充なのだよ。
「おーい。
幸せなお二人組さん。
普通は、敏捷が30を越えたら凄いのに、フレッドの敏捷は87とか、人を辞めてよいレベルだからね。
あの精霊術師のストーンブラストを、高速回避で全部避けていたよ。
まぁ、ストーンブラストの威力がマミーより弱かったから、フィルなら、立っているだけで大丈夫かもしれないけど」
あ、勿体ない。
あれ?なんでこんなに強いのに、この前のゴブリン退治で苦戦したのだろう?
1対1は強くても、集団戦はダメなのだろうか。
「わたくしにこそ、あのような守護者が必要ですこと」「えー、守護者はイケメンじゃないと無理」「イケメンがブサメンに、決闘で負けたら終わりよ」「えーーー。ゴリラが守護者になったりしたら、聖女を辞めたい」「私はイケメンの守護者が欲しいのぉ」
例の3人娘は、好き勝手なことを言って騒いでいる。
その3人娘の元にカティーさんが歩いていく。
「そのままサボっていると、20歳で胸がしぼむわよ」
あ、3人娘が凍り付いている。
胸が萎むとか呪いか?
「ん?20歳で胸がしぼむ?」
あ、口が滑った。
周りの人には聞こえなかったけれど、隣にいるクリスにはばっちり聞こえてしまった。
「聖女は、20歳までに聖女2にならないと、聖女スキルが無くなります。
そうしますと、聖女でなくなるため胸がしぼみますね。
聖女養成所を卒業した聖女のうち半分以上が、しぼみますよ」
クリスが私にだけ聞こえる小さな声で教えてくれた。
あとは、この世界は高齢になるとスキルが下がるそうだ。老化でスキルが下がると、2、3年後に老衰で亡くなるらしい。そのため、お世話になった人の元に挨拶に行く風習があるらしい。
時折、聖女養成所に、年老いた元聖女が訪れることがあるらしい。
あれ?お世話になった人はすでに老衰で死んでいないかな。
学校の7不思議みたいなものかな。
決闘で騒然となったこともあって、今日の訓練自体がお流れになってしまった。
======================
ジュジュ(ジュリエット・ド・フレジュス)
冒険者ランク 1
LV 8
MND 24
聖女 1
グエン(グエナエル・ド・レオノール)
冒険者ランク 1
Lv 11
PIE 26
精霊魔法(土) 3
魔力操作 2
お読みいただきありがとうございます
誤字脱字等を見つけましたら教えてください
ブックマーク、評価ありがとうございます




