休暇
投稿前に書き溜めていた文字数が10,000文字くらいだった気がします
自転車操業で書き足していきましたが、蓄えはすでに無くなりましたね
-10/6 練兵所近くのパティーさんの小屋-
訓練所で初めての休暇。
お金が無い、いやマイナスなので、リバーサイドに遊びに行く余裕はない。
クリス、ココと一緒に、練兵場から1時間離れた、パティーさんが寝泊まりをしている小屋に向かう。パティーさんは、膝の状態が良くなったので、狩りを再開したようだ。
まず、クリス、ココと一緒に乾燥用の棚を作る。これで、食材や薬草の天日干しや陰干しができる。
2時間ほどしたら、パティーさんから『狩りで大物を討ち取ったので、みんなで運ぶよ』と言われ回収に向かう。
-小屋近くの狩猟場-
イノシシを狩ったらしい。
さすがに膝が完治していないパティーさん1人で運ぶのは大変だね。
イノシシを担いで運ぶ準備をしたところ
「ごめーん、もう一体捕まえちゃった」
すでに血抜きの作業を開始しているけれど、誰が運ぶのよ。
ココと二人で、最初の一体を小屋に運ぶ。そして戻ってきたら
「近くだから、大丈夫と思ったけど、やっぱり駄目だったみたい。
なんか凄いことになっちゃった」
追加で、オオカミが3体も転がっている。開き直っているパティーさんの横で、クリスが頭を抱えている。
オオカミは血の匂いで集まったらしい。オオカミの血抜き既に終わっている。
嫌な予感がしてソリを持ってきて正解だった。全部載せて小屋まで戻ろう。
「重いですの。
でも、うちは、おいしいお肉を食べたいので、頑張りますの」
クリスとココと一緒に重労働、これは食前の体力トレーニングだよね。
道中、別のオオカミの群れが現れて、さらに2体追加された。
ここまでくると拷問と言う言葉が適切かも。
-パティーの小屋-
小屋に戻った時には、みんな疲れ果てていたけれど、パティーさんが率先してBBQの準備をしてくれた。
おいしい猪肉の焼ける匂いがして、みんな元気になる。
ゴブリン討伐の失敗以降、おいしい食事にありついていなかった。練兵所の食事なんて単調すぎた。
食べ終わって元気になったので棚づくりを再開する。パティーさんは、肉の解体や皮剥をしていた。
薬草や食材を集め、干しやすい大きさに加工してから干す。お肉も干す。
作業が終わったころには日が暮れていた。
-夜 パティーの小屋の中-
実は、小屋には部屋が1つしかない。
治療の時は、いつも通りパティーさんがガン見してヤジを飛ばすのでココが引いていた。
そのくせ、寝る前に、こういう気遣いをする。
「ココちゃん。
冒険者になれば、男が近くに寝ることもあるから今のうちから慣れておかないとだめだよ。
我慢してね」
この人ではなくて、ハーフエルフの頭の中はどうなっているのだろう。
元の世界ならMRIで調べてみたいね。この世界は無理だから解剖かな。
-10/7 パティーの小屋-
翌日、練兵所に売る食材を集める。
それ以外に、練兵所の単調な味を改善する調味料の原料となる香草類や、ギルドクエストで指定されたモノを集める。
お昼ご飯は、また猪肉だ。ここで先ほど集めた香草類で作った調味料を使う。
クリスとココと私は、好みが合う。パティーさんは、もっと濃い味が好みの様だ。
お昼からは、先ほど食べて気に入った調味料の原料の香草類を中心に集める。やはり、みんな、練兵所の味の単調さは我慢できないみたいだ。
練兵所に帰る必要があるので早めに夕食を摂る。
「うちは、気槍術に取り込んでいますの。
気の練り方や操り方ですが、気を実感できないですの」
ココも同じところで躓いていたのね。
気を練りながら槍を使うって、大変だと思う。
「師匠は、気の扱いは、聖女の魔力と同じと言っていたな。
私は、まだ気を発生することすらできないけどね」
聖女の魔力と一緒だから、感知はできるけれど、生み出した感覚が無いのよね。
「聖女の魔力と同じですか。
試してみますか?」
クリスの提案で、左手はクリス、右手はココと手を繋ぐ。やったね。両手に花状態だよ。
クリスから私に流れた魔力を右手からココに流すが、少し流したところで、詰まったように止まってしまう。
「流れが止まりましたね。
ココ。
魔力が届いていることは実感できました?」
ココが黙って頷く。
クリスは口のあたりに手を当てて考え込むように話す
「魔力の感知はできるようですね。
気槍術は、たぶん聖護身術と同じで魔闘法の1つだと思います。
聖女養成所の授業で、魔闘法は、体内の魔力を身体強化に使う武道の総称で、誰でも使えると習いました。
私もそうでしたが、治療、鎮魂、浄化、薬師と違いまして、聖護身術は聖女以外でも使えて、しかも習得するのが難しいため、養成所で誰も習得しませんでした」
誰でも習得できるものを習得したくないって選民思想でもあるのかな。
10歳の時に、20人に1人しかいない選ばれた存在だからね。
今度二人きりの時に聞いてみよう。
「修行で、自分で身を護る事の重要性を思い知らされました。
高位の聖女様が『聖護身術が必要』と言われたのは事実でした。サボったことを後悔しています。
私も一緒に修行させてくださいね」
三人で仲良く話に盛り上がっていたところ
「おーい。
門限があるんでしょ。
長居しすぎて大丈夫?」
そろそろ帰ろう。
荷物が多いのでソリに載せる。
-夜 帝国リバーサイド練兵場に戻る途中の道-
ソリを牽きながら訓練所までの道を進む。
夕暮れになると、月が見える。今日は『蒼い月』だ。なんと西からの東に流れる月だ。この世界にはもう一つの月『紅の月』もあるが、こちらは東から西に動く。毎日交互に、現れるが、どちらも常に満月だったりする。
この世界は、本当に平面世界かもしれない。
「ここなら大丈夫ですね。
フィル。
ここで私の治療をお願いします」
あ、今日2回目の治療を忘れていた。
しかし、ココもいるけれど良いのかな。
「冒険に出ますと、どうせ見られますので、気にしなくてよいですよ。
ココ、フィルの両肩に手を置いてください。私が治療をしている間は、魔力が感じられるはずです」
クリスが治療のために肌を露わにする。
「え、ここで、治療をするのですの。
なぜ小屋で行わなかったのですの」
ココの方が動揺している。
「小屋だとパティーさんが煩いのです。
見られるのは我慢できるのですが、あれは我慢できないです」
クリスの意見に同感と言うより、同じこと考えていたのね。
これが小屋だったら、ココがセクハラハーフエルフの口撃で撃沈していたかも。
あのセクハラハーフエルフのカルマは下がっているのだろうか。疑問だ。
「ありがとうですの。
魔力が何か、少しわかった気がしますの。
これで、魔力を感じることができそうですの」
ココが何か手ごたえを掴んでくれてよかった。これで、クリスが一肌脱いだ意味があったかも。
お読みいただきありがとうございます
誤字脱字等がありましたら、教えてください
ブックマーク、評価などいただけると、やる気が出ます




