クエストに失敗するとどうなるのか
キャラクターの位置づけがだんだんはっきりしてきました。
その分、筆が進んでいる気がします。
-リバーサイドへの道-
集落からリバーサイドに向かう。
パティーさんの膝は、まだ治っていないので、かなりゆっくり進む形になる。
「あたいのせいで、迷惑をかけてごめんね」
パティーさんが居たから、街道に出ることができた。
移動速度が落ちようとも、置いていくことはできない。
歩きながら、馬車などがいないか探す。
1時間後、ラバの牽引車で麦を運んでいる馬子に会った。
馬子に頼んでパティーさんを牽引車に乗せてもらった。
「あたいは楽ちん
みんな悪いねぇ」
パティーさんは、ご機嫌だ。
「困ったどぎはお互い様だ
乗り心地は悪いげんども、我慢してくんちぇ」
この世界の住民は親切な人が多い。
カルマを数値化しなくても、問題はないのではないかと思う。
「今日はこごで野宿だ
この前の洪水で、この辺りに悪霊が出るづー噂だ。」
-リバーサイド手前の野営地-
野営所を作る。
クリスの治療の間、パティーさんが馬子さんと話をしていた。
気を回してくれることもあるんだ。
最近は治療に慣れてきたから、会話まではできないけど、触っている感覚が分かる。
「今日は、触られている感覚が伝わってきます。
集中できなくなるので、治療中は変なことをしないでくださいね。」
治療後に、クリスに笑顔で言われた。
「クリス
信頼してくれているから、変なことはしないですよ。」
信頼して触らせてくれているのだから、そんなことはしたない。
そもそも、治療は傷口を直接触るから、揉んだら痛そうだからね。
最初の見張りは私が行った。
見張りの間、川の方にたくさんの鬼火が見えた。
この前の災害で鎮魂されなかった被害者が、3か月半たった今でも彷徨っているのかな。
自分は運良く助かったけど、鬼火の仲間になるところだった。
鎮魂はできないが、冥福を祈ろう。
-翌朝-
翌朝も、クリスさんの治療中は、パティーさんが馬子さんと話をしていた。
今回は、クリスから来る魔力が少し不安定だった。
集中力を欠いているのか、体調が悪いのかわからないけど、ちょっと心配だ。
クリスは別のラバの牽引車に乗るとのこと。
パティーさんが、別の馬子に頼んだらしい。
「クリスちゃん、ずっと歩きっぱなしだったでしょ。
守護者なら、もっと聖女様を大事にしなさい。」
パティーさんの足ばかり気にしていた。
大怪我をしているのに、気丈に振る舞っているので気が付かなかった。
クリスは、牽引車の中で、リバーサイドに着くまで爆睡していた。
「鈍感な守護者でごめんね。」
寝ているクリスに謝る。
-リバーサイド-
リバーサイドの冒険者ギルドに戻って、クエストの失敗を報告する。
失敗のペナルティーは、この3つだった。
・報酬の3倍の罰金
・評価の低下
・ギルドの指定したクエストを行う
今回の報酬が3000エキュだったため、罰金は9000エキュになる。
冒険者証を5人分持ち帰ったので、鎮魂分と含めて1000エキュと相殺しても8000エキュの借金ができた。
クリスと私は、ランク1で1回しかクエストをクリアしていない。
評価が低下してランクが0になると、訓練所で再訓練が義務化される。
期間は一か月。
しかも、訓練費用が1日20エキュかかる。
そんなお金ないよぉ
訓練中も、休養日があり自由に動ける日があるようだ。
訓練所は、リバーサイドから西に半日ほど行った練兵場内にあるため、その近辺でとれる薬草などの採集クエストを受けておく。
-リバーサイド内の宿屋-
今晩の宿は、お金が無いので、3人の相部屋になる、
「昨日は約束通り、静かにしてたでしょ。
治るまできっちり見学させてもらうからね。」
鬼かこいつは。
ランタンを3つも用意している。
たしか、装備品に無かったはず。
借金だらけになったのに、何無駄遣いしているのか突き詰めたい。
ランタンを除けようとしたら、なぜかクリスに止められた。
なぜ?
「フィル。ありがとう。
でも、約束したのです。
パティーさん、隣に声が漏れない様にだけお願いいたします。」
耳まで真っ赤の上に目に涙を浮かべている。
一体2人の間でどんな約束が交わされたのだろうか。
「明るいところで見る方が良いわね。」「若いだけあって、お肌がきれいよね」「仲人はあたしだからね」
いつも通りのセクハラのオンパレード。
もはや、いじめに近い。いや、いじめそのものだと思う。
治療が終わった時、パティーさんが、傷口を指さす。
「こことここの傷は完全に消えたよ。
2,3日前より、治療の効果が上がっているね。
クリスちゃん。私の治療の時はどうだった?」
「パティーさんの治療の時も、効きが良くなっています。
3に近づいてきていると思います。」
クリスが喜んでいる。
パティーさんがランタンを片付けている。
「いつまで裸でいるのよ。
あたしは、小娘の裸を眺める趣味はないからね。」
クリスが慌てて服を着る。
パティーさんは、自分の膝のために覗いていたのね。
パティーさんの評価を、ほんの少しだけ上方修正する。
-翌朝-
「油代も馬鹿にならないからねぇ。」
朝の治療は、日が昇って室内が明るくなってから行う。
暗い中で治療をすると、治す場所に触れ損なう可能性があると、パティーさんが断言している。
明るい方が覗きやすいだけだと思うんだけどなぁ
治療直後に、パティーさんがアドバイスをする。
「今回の様な怪我を防ぐために、クリスも戦闘訓練に参加してね。
当然、治療は、大事なスキル上げのチャンスだから、両方頑張るのよ。
ギルドの指定クエストは採集だから、私が頑張るから。」
「たしか、聖女の治療で・・・・」
裸のまま喋ろうとしているクリスに服を着せる。
クリスは治療時に集中するので、治療直後に話しかけられると、意識がそっちに向いてしまう。
パティーさんは、そのタイミングを狙っている。
「フィル君。
守護者らしくなってきたね。」
パティーさんは、にやりと笑い、クリスは、顔を真っ赤にしている。
パティーさんは、クリスの反応を楽しみにしているのか。
昨日上げた、パティーさんの評価を下げる。
クリスが、練兵場で聖女の仕事をすると言ってきた。
訓練所で戦闘訓練の負傷者を治療する場合、40エキュの報酬になるそうだ。
クリスが治療を行えば、私たちの出費はゼロになる。
しかし、治療と戦闘訓練も行うと、クリスの負担が大きくなる。
「クリスちゃん。
頑張り屋さんなのは良いけど、休憩も必要よ。
採集は私とフィルに任せて」
パティーさんは、みんなの状態をきちんと管理してくれる。
頼れる仲間だ。
セクハラが無ければね。
読んでいただきありがとうございました
誤字、脱字などがありましたら、教えてください
評価やブックマークありがとうございます
期待に沿えるよう頑張ります




