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私は結構ワガママですよ……

ブ、ブックマークがついていました!

読んでくれてありがとうございます!



私の質問にイケメン神様は慈愛のこもった微笑みを浮かべた。


「彼等はあの後土砂崩れに巻き込まれ亡くなるはずだったけれど、一葉が引き留めた為無事でした」


「今までの人生を見たから、一葉は『死ぬ』では無く『消滅』したのもわかりますよね?」


「……はい」


「普通、人は消えたりしません。一葉は人だけど特別な魂を持っています、これもわかりますか?」


「…………」


自ら望んだわけでは無いけれど『人』としてあり得ないのはわかる。

……納得出来るかは別問題だけども。


イケメン神様は苦笑しながら続ける。


「『人』としてあり得ない事は、後に混乱や不和を起こす原因成りかねないのです」


「……だから今までも今回も、周りの人々の記憶の中から一葉に関する事は抹消しました」


「っっ!」


……おそらくそうだろうとは予想していたけど、思っていたより心が痛い。

その方法が最善と理解していても、全てを笑って飲み込める程私は出来た人間じゃないから。

受け止められなかった想いは涙となって溢れてしまった。


「…っく、っふっっ、うっうぇっ」


多分何度か転生した分(記憶は無かったけど)身体の年齢より精神は大人だから、心のままに泣き叫ぶ事も出来ず痛みを耐え、自分に降りかかる理不尽への怒りを涙に代えて逃すしかなかった。


私の嗚咽が収まるまで神様は慰めも励ましもせず、ただ静かに寄り添ってくれた。


「……っっ、もう大丈夫です。続き、お願いします」


瞳を微かに揺らしながら神様は語りだす。


「彼等はね、あの後今まで治らなかった難病の治療薬の開発に成功し、多くの人の命を救いました」


「難病の治療薬……」


「あの雨の日会う予定の相手は、その薬の研究開発のスポンサーだったのです」

「っっ、じゃあ怒らせてしまったんじゃ……」


焦って問うと、イケメン神様はふるふると首を振る。


「土砂崩れのニュースを見て、その人はこう思ったそうです」



『あの人達は選ばれた人達だ。必ず、彼等を助けなければならない』



「そうして、そのスポンサーが彼等を全力でサポートし、一葉のパパとママも必死に努力した結果、その薬は完成したのです」



「一葉が救った命が、沢山の苦しい人達を救ったのですよ」


「……私は神様だけど、時々一葉の方が人が求める神様なのではないかと思います」


そう言うと神様は、とても綺麗に誇らし気に微笑んだ。



今度は私がふるふると首を振る。

今までだって今回だって立派な志しや、尊い気持ちでしたわけじゃない。

いつだって自分の大好きな人達が傍から居なくなるのが嫌だっただけだ。

結果的にそういった素晴らしいものに繋がっただけで私が直接何か成し遂げたわけでもない。

他人に嫌悪感を持つ事もあるし、意地悪な部分も持っている。

聖人(?)様みたいに清廉潔白などではないと断言出来る。



「……それは買い被り過ぎです。私は結構我儘なんです」



(超絶イケメン)神様は不思議そうにこてんと首を傾げました。




(超絶イケメン)神様にはまだ子供はいません。

一葉の人生を見守る内に芽生えた父性(?)は一葉だけにでは無く、部下の天使たちにもおよびます。

独身(?)なのに既に子沢山のパパ神様なのです。


ガンバレ!

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