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賢者とかみさまの忘れ物  作者: たかやす
一章
6/22

5.5


夢を見ていた。


昔の夢だ。



毎日毎日つまらなかった。

何もしてもすぐにできてしまう、解決してしまう。教えてくれる『先生』も皆つまらない者ばかり。


『お兄様が優秀だからですわ』


あぁ、なんとつまらない。


『あなたはもう少し自分を知り、振り返るべきよ』


自分のことは知っている、過去は振り返らない。いうことが陳腐すぎて話にならない。つまらない。


『ここには戻っても戻らなくても良い。ここはいわばスタート地点であり、ゴールでもある。汝らの旅路に幸あれ』


いい機会だった。


賢者の塔には戻らないつもりだった。世界を周り良いところがあれば永住するつもりだ。そのことを妹には伝えた。


新たな土地で新たな発見があるだろうか。つまらない毎日が新鮮なものとなるのだろうか。




気づいたら足を滑らせていた。


ほんの少し、ほんの少しだけ注意がそれてしまった。土がぬかるんでいたこともすぐ側が崖だということもわかっていた。注意をしていたのに。


身体中打ち付けて酷い痛みが襲ってきていた。痛すぎて途中で気を失い、次に気づいた時にはどこかの家の中にいた。


ひどく寒くて痛みもひどい。どうしてこうなってしまったのか。

身体が痛くて動かない、頭もぼーっとしてまともに働かない。


ただ時々手を握ってくれる暖かな手の温もりがとても心地よく感じた。労わる声、優しい瞳よくわからないがとても落ち着いてくる。手を握っている間は、不思議と痛みも落ち着いてくる。


(天使が手を握ってくれているのだろうか)


そうしてまた意識を手放していく。







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