初めての戦闘 1
1週間後3人の戦闘服もできたので、実戦に行くことにした。戦闘服には対物対魔の防御魔法が付与されている。ちなみに俺の戦闘服も知里たちの見立てで作った。白を基調としているため、かなり目立つ。
「知里と芽衣は雷球と火球の命中率も上がってきたし、美咲も俺との訓練で動きも良くなってきたから大丈夫だろう」
「よし 最初は初心者の森にしとくかな」
「ん?そんなところあるの?」と美咲
他の2人も顔を傾げてこちらをみている。
「ああ 正式にはエバンの森と言って通称が初心者の森なんだ。弱い魔物しかいない森だからそう呼ばれている。」
「ふーん そんなところもあるんだね」と知里
「俺が学院に通っていた時の演習用の森なんだ」
「へ?あなた学校に行ってたんだ?」
美咲が興味深そうに聞いてきた。
「ああ 9歳の時から13歳まで初等学院に通ってたんだが、卒業して冒険者になったんだよ」
「へー 最近まで学生だったんだ。ねえ学校で親しい子とかいなかったの?」
知里と芽衣も耳をピクッとして聞いている。
「うーん 俺は人付き合いが苦手なんで、これといって親しいやつはいなかったな」
「まあ何が気にくわないのか、何かと絡んでくる女の子はいたが。まあ親しくはないな、絡まれてただけだし」
「ふーん」
とジト目で美咲が見てくる。
「とりあえず行くぞ。つかまれ」
とさっさと話を終わらせた。
エバニア王国 王立高等学院 女子寮の一室
ソフィア=クレイド 14歳
(小柄なあどけない感じの活発な女の子)
と、シーラ=ベルメール 14歳
(背の高い上品そうなお嬢様)
(2人とも伯爵家の三女)が明日の高等学院と初等学院の合同演習について会話をしている。
「またエバンの森で演習か〜 いいかげん飽きたよね。弱い魔物しか出てこないしさ」
「ソフィアそんな事をいうものではないですよ。指揮の仕方を学ぶのも貴族の務めではないですか」
「シーラは真面目だよね。まあそこがいいところなんだけど。ただなーんか張り合いがないんだよね。」
「またですか。仕様がないではありませんか。家庭の事情では・・あの方は冒険者で大成しますわ」
「まあそうなんだろうけどさ。なんか気になってね・・」と暗い顔になるソフィア
(重症ですね)シーラは心配した。