中二の子
ドーム内リビング
少女は部屋に寝かせて、サナは付き添っている。知里はご飯を作ると言ってキッチンに避難した。
「さてと、何から話しましょうか?」
ソフィアと美咲は機嫌が悪い。
芽衣は横で甘えながら、
「シンはすごいね〜」と言ってくれる。
メルは「・・・」いつもの通り無表情でこちらを見ている。
「いや、その、あの、まあ、見ての通りだ」
「そりゃね、見たらわかるわ」ソフィア
「あの子の顔が灰色から、みるみると肌色になっていくんだもんね」美咲
「で?」
あなたの口から聞きたいと言わんばかりに、話しを促す。
「・・・だから俺は人間じゃないんだ」
「俺はヴァンパイアとハイエルフの間に生まれた子供だ」
「そう それがあなたの秘密なのね?」ソフィア
「そうだ」
「あの子達はどうなるの?」美咲
「俺の眷属になった。あのままの姿で永遠に生きるだろう。俺がいなくなると、人間を襲うようになる」
「まあ、それは緊急事態だったからいいとしましょう」
美咲がハッとしながらも言う。
「なるほどね。だいたいわかったわ。ソフィアここから先は私とソフィアとで、シンの部屋で話しましょう」
美咲は芽衣にここで待つように言った。
芽衣も行くといったが、
「芽衣がもう少し大きくなったら結婚しような。約束する」
「いつ結婚してくれるの?」
「そうだな15歳になったら結婚しような」
「うん!わかった。あと2年だね。やった!」
二ヘラと満面の笑みだ。
それからメルに任せて、ソフィアと美咲を連れて部屋に行く。
部屋に行くと、ソフィアが先に口を開く。
「シン 私はあなたの何?」
「・・許嫁だ」
「そうよ。私があなたは人間じゃないと聞いたぐらいで、何処かに行くと思ったの。なめないでよね。私はあなたが何者であったとしても、そんな事関係ないの。シン、あなたそのものを愛してるんだから。」
美咲がそれに続く。
「ソフィアの言うとおりよ。私はこの世界であなたに救われて、今まで一緒に過ごしてきて、あなたという人を、私なりに理解しているわ。あなたが人ではないと言おうと、そんなの関係ないわ。これからもずっと一緒にいたいわ」
「ありがとう。俺はソフィアも美咲も愛している。悪かった言うのが遅くなって。知里には、お前たちに早く言ってやってほしいと、言われてはいたんだが。ただな」
「私たちがそういう関係になると、成長が止まり、人間じゃなくなるわけね」
美咲が言葉を続けてくれた。
「そうなるな」
「ふーん。通りで、知里の雰囲気が・・なるほどね」
ソフィアがなにか一人で納得している。
「この先は3人じゃ恥ずかしいから、またにしましょ」
美咲がそう言って話しを打ち切った。
リビングに戻ると、サナと少女がいた。知里も来てみんなが揃ったところで、
『私は鈴木沙奈と申します。18歳です。妹を助けていただきありがとうございました。』
知里と美咲と芽衣が
「「「えっ! ええ〜」」」「18歳なの〜」
と驚いている。
「えっ!ええ〜」「・・・」
遅れてソフィアが驚く。
『だいたい、いつも驚かれますね。で、この子は14歳です。葵、挨拶しなさい』
沙奈はクスッと微笑しながらそう言う。
『我は、カタストロフ=アルギュロス=ヴァルキュリアだ。痛っ またの名を鈴木葵です』
沙奈があんたはまたっと言って葵の頭を小突く。
『みなさんごめんなさい。この子ちょっと拗らせちゃってて。あんたはねゾンビに噛まれて、死にかけていたのを、シン君が助けてくれたのよ。お礼を言いなさい』
『我があのような雑魚に負けるはずがない。いたい!シン君ありがとうございました。』
今度はガコッと大きな音が聞こえた。
知里たちは変な子を見るような目で、ポカーンとしている。
『知里、この二人にこっちの言葉を教えてくれるか』
『う うん わかったよ』
「俺はこれからあの先の街の様子を見てくる。それからギルドに報告に行く。パンデミックになる前に、この国だけに封じ込めなければならない」
「そうね。この街道だけならいいけど、国中であんな事になってる可能性が高いもんね。でも気を付けてね」ソフィア
「ああ 行ってくる」