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別れ

メグとメルも来て、王族の談話室に向かうことになった。王族たちもこちらに向かっているらしい。

談話室には、グレッグ伯、ベルメール伯がいて労ってくれた。しばらく待つと、王様たちが到着した。


「久しいな クレイド ベルメール。そなたら此度の働きぶり、大儀であった」

「「はっ、身に余る光栄に存じます」」

「さて、堅苦しい挨拶はここまでだ。そなたらも普通に話せ」

「陛下 恐れながら・・」

「クレイド おまえがそれでは他の者たちも話せん。余も堅苦しいのは好きではない。それにこの部屋は気軽に話せる場だ」

「畏まりました。それでは改めまして、バトラーから聞いているとは思いますが、経緯など説明申し上げます」

と言って、クレイド伯爵はグレッグの策謀に始まり、タミールが侵攻されていること、それによりエバニアの危機を知り、シンが駆けつけてくれたことを説明した。

「今回の立役者 シンを紹介します」

クレイドがそう言って俺をみる。ここで王と面識がないのは俺だけだから。

「お初にお目にかかります。冒険者のシンと申します」

「シンよ、そなたには余もこの国も助けられたのだな。礼を言う」

「はっ 勿体無いお言葉です」

「それにマーガレットのことも助けてくれて、さらにその後も面倒を見てくれたと聞いた。重ねて礼を言う」

「いえ それは・・実はあの時ソフィアが襲われてるのを見て、咄嗟にに助けたんです。マーガレット様には気づいてなかったので、私に礼は不要です」

「結果マーガレットが助かったのは事実だ。しかし、そうかソフィアをな」

そう言うと、王様がソフィアを見る。ソフィアは恥じらい俯く。王様はしばらく思案し、

「ふむ クレイド ソフィアとシンはどういう関係なのだ?」

クレイドはすかさず

「元級友で今は許嫁です。最近そういう関係になり、私も許可しました」

クレイドが外堀を埋めながら、王様となんらかの駆け引きをしている。

「「えっ」」

俺とソフィアが同時に驚く。

「なんだ私はそう聞いたんだがな」

とクレイドがシーラを見ながら言う。

シーラはお嬢様然として、澄ました微笑を浮かべている。

「って!シーラ いつのまに!」

ソフィアは焦っていつもの口調になる。

「まあ いずれ結婚をするでしょうが、まだそういった関係は持ってませんよ。誤解なきように」

と言っておく。

「ックハハハ そうかそうか。式には余も出てやろう」

王様は機嫌がとても良いようだ。

「それはさておき、転移持ちを見るのは賢者アイリスに次いで、2人目だな」

「アイリスは私の育ての親です」

「そうか、なるほどの。それでは勇者イリアや武神ガーランドも知っておるのか?」

「はい。剣術と武術を叩き込まれました」

「ほう、そうか!勇者パーティは暗黒大陸で神祖と相討ちになったと聞いておったが、よもやその後継者に救われるとはな」

と言いながら、クレイドを見る。クレイドは目でダメですと言う。

(神祖かたぶん俺の親父なんだろうな。なぜアイリスと戦ったんだ?)

その後少し話すと、タミール防衛に関して会議をすると言って、王様と王子とクレイドとベルメールが部屋を出て行った。


知里たちにお別れを言いたいからと、全員ドームに戻った。

「私は当然残るわよ。許嫁ですもの」

ソフィアが当然のように言う。伯爵は知っているのかと聞くと、

「お父様がずっと一緒にいろとおっしゃってたわ」

次にシーラが口を開く。

「私は学院に戻るわね。それで私もソフィに負けないくらいの素敵な恋をするわ」

そう言って、知里たちに別れを告げる。

「あっ シン君、このブレスレットは貰ってもいい?」

「ああ いいぞ。メグたちのもそうだが、仲間の証だ」

「ありがとうね」

ミラに続き、メグも挨拶をする。

「シン様 大変お世話になりました。私の家族を国をそして私を救ってくださったことを、生涯感謝とともに忘れません。ありがとうございました」

「私もマーガレット様と過ごした日々を忘れません」

「私とミラは学院にもどり、冒険者をしていた経験を生かし、もっと学びます。それで、メルなのですが、将来私の護衛をする為に、もっと強くなると言ってます。それで、学院よりシン様と共にいることを選びました。だからメルのことをよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」メル

「ああ いいぞ。こちらこそよろしくな」

それから女の子たちはそれぞれ別れを惜しんで、挨拶を交わす。

その後、メグ、ミラ、シーラを王城に帰し、俺はドームにもどり昼過ぎまで寝た。

王城から帰るとき、お礼として金貨500枚を無理矢理渡された。この金貨については、パーティ会議で、6人に5枚ずつ残りをパーティ予算とした。


タミール防衛戦に、エバニアからの大部隊が間に合い、押し返すことができた。簡単に押し戻せた要因の一つとして、エバニア王都が奪還されたことを知ると、ギランの奴隷部隊はすぐにギランへ撤退したことが挙げられる。

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