王都奪還
王都エバン クレイド伯邸会議室
今ここに、メグ、メル、ミラ、ソフィア、シーラ、クレイド、ベルメール、ダンカン、ダルカンが揃った。ちなみに監視の貴族は軟禁した。
「久しぶりね。クレイド伯爵、ベルメール伯爵」
「お久しぶりです。マーガレット王女様」
「ご無事であったこと、何よりです」
「ええ ソフィアやシーラのおかげでね。それにシン様や知里たちにもお世話になりました。
そして今回の王城の奪還作戦に骨を折ってくださり、感謝の言葉もございません」
と言ってみんなに頭を下げる。
クレイドがあわてて、
「姫様、頭をお上げください。王国の危機に臣下の者が動くのは、当然の責務でございます」
「皆の忠義に王に替わりまして、御礼申し上げますわ」
「それでは作戦について話しましょう」
クレイドが俺を見てそう言う。
「精鋭の送り先は、クレイド様の指示に従います」
前もってクレイド伯には見取り図を渡していた。
「これは一昨日判明した情報なのですが、王族と子弟たちは、3つの塔にいます」
「そうか、調べてくれたか」
「はい それで王族はメグとメルを連れて行き、メグに話を通させ、こちらに王族を連れてきます。その後の説明はそちらに任せますが、よろしいでしょうか?」
「ああ それは構わないぞ」
「ありがとうございます。その後メグとメルを男の子弟の塔に連れて行きます。なのでこちらの守りに一部隊3人貸して頂けませんか?」
「わかった」
「そして、こちらが問題なのですが・・」
そう言って子女たちのことを話す。
「なんと!そのようなことが」
クレイド伯、ベルメール伯それに副官たちも怒りを露わにする。この4人は子女たちと同じ年頃の娘を持つだけに、怒りもこの上ない。
「なので、こちらはソフィア、シーラ、ミラに女性兵士を3人貸していただきます」
「わかった。すぐ準備させよう。ダンカン頼むぞ」
「はっ」
「それでは今夜1時に決行する。それまでにシンは精兵たちを所定の位置に待機させてくれ。」
「畏まりました」
「それとな私を一度領地に帰してくれんか。兵たちに直接指示を出したい。ベルメールもそうだろう」
「そうだな、頼む」
それからクレイド伯とダンカン、ベルメール伯とダルカンをそれぞれの領地に帰す。
クレイド伯もベルメール伯も言うことは同じだ。抵抗するものは殺しても構わないと言う。特に女性兵士たちには、部屋にいる貴族は殺せと命じる。
深夜0時になり、行動を開始する。60人の精兵を送り込むのに30分かかった。
「次ばメグとメルだ。行くぞ」
「はい」「・・・」
王族のいる塔のテラスへと転移する。
静かに部屋に入るがみんな寝ているようだ。
ドアの鍵なんて土魔法で簡単に開けられる。
メグが王族3人を起こし、簡単な説明をした。時間があまりないからと言って、3人をクレイド邸に転移させ、後の説明は執事に任せる。王は「世話になった」
「はい」とだけ答えすぐに、メグのところに戻る。メグたちを男の子弟の塔のテラスに転移し、さらに3人精兵を連れて来て、そこを任せる。
「メグ、時間がないから行くが、無理はするな。メルも頼んだぞ」
「はい」「・・・」コクリ
「次だな ソフィア、シーラ、ミラ 行くぞ」
こちらもテラスに転移し、ソフィアとシーラとミラさらに女性兵士3人も連れてくる。
「よし 間に合ったな。ソフィア部屋の中に人はいるか?」
「・・・居ないわね」
「俺は入り口の扉を見張る。ミラ、ソフィア、シーラと兵士たちは、中にいる貴族たちを速やかに処理しろ」
「ええ」「「うん」」ソフィアたちは口をギュッと結ぶ。
「「「承知しました」」」
時間になり、作戦が開始される。寝静まっている上に、精鋭たちが使命を果たすとあっては、抵抗といった抵抗もなく、あっけなく王城は奪還された。
グレッグとステュアートはこの塔で死んでいた。
「あっけなかったですね」
俺のそばにミラが来てそう言う。
「そうだな。あれだけ準備したんだが」
「たぶん その準備があったからこそ、この結果につながったんだと思います」
とミラが言ってくれる。
「そういうことにしておくか」
「そうですね。ところでメグとメルは?」
「無事だろう。信号もないしな」
「それでこの後どうしたらいいんだ?俺的には帰って寝たいんだが」
「そういうわけにいかないでしょ」ソフィア
「シン君らしいといえば、らしいね」シーラ