討伐後の後始末
「ガンテ、盗賊を1人確保しておいたぞ。」
「そうか。そいつにアジトへ案内させるか」
アジトに向けて、生き残りに案内させている間に聞く。
「ガンテ、盗賊の生き残りは何人だ?」
「お前たちの方はほぼ皆殺しだから、そんな残ってないぞ。アイザック入れて10人くらいだ」
「しかし、お前の女たちは凄まじいな。苛烈というか鬼気迫るものを感じたぞ」
「・・・まあな。それはともかく、盗賊退治は後が憂鬱なんだよな」
「そうだな。さてアジトに着いたようだな」
見張りは1人だったが、アイザックが拘束されていることに気づくと、投降する。そして女性冒険者が中にはいり、残りの盗賊4人を捕まえてきた。捕まっていた女性は30人もいて、怪我をしている人や、衰弱している人もいる。すぐに、メグとシーラが怪我人の治療をし、知里たちは女性たちにフードを着せたり、水を飲ませていた。
ひと通り落ち着いたところでガンテが俺に目配せる。俺はさっき拾った剣をバラバラと地面に置く。そしてガンテが30人の女性に対し、
「君たちにこの剣を貸す。そして盗賊たちはそこに捕まえている。好きにするがいい」
最初誰も動こうとしなかったが、しばらくすると、一人また一人と剣を手に取る。そして女性たちの虚ろな目が、憎悪のこもった目に変わると、15人の盗賊たちを所構わず刺し始めた。
盗賊たちがいくら泣き叫ぼうが、許しを乞おうが全て絶命するまで、それは続いた。
一旦依頼は完了となり、女性たちの護送は別依頼として、他の冒険者パーティが受けた。俺たちは早々に切り上げ、ドームに帰った。
今日一日のことを(実戦では考える暇もなく勢いで戦闘を終えて、その後アジトでの女性たちを観て)各々が無言のまま、冷静に考えているのであろう。お風呂から上がるとリビングに集まる。芽衣が一番辛そうだったので
「芽衣、おいで」
と言って抱っこしてやり、ソファに座る。すると、両サイドに知里と美咲が寄り添うように座る。芽衣は俺の胸でぐしぐしと泣いていたが、いつのまにか寝ていた。
「ここはほんとに厳しい世界なのね」
美咲がポツリと零す。
「シンが言う、強くならなければいけないっていうことを、実感したわ」美咲
「そうだな」
「日本の常識とここでの常識は全然違うんだね」
知里も零す。
「そうだな。日本では基本自力救済は禁止されていたが、ここではそれをしなければ、全てを奪われるんだ」
あの女性たちのようにと言って答える。
ソフィアとシーラが「あれっ?」と言う顔になり、
「あなた、なぜ知里たちの故郷のことを知ってるの?」ソフィア
「そうか、言ってなかったな。俺は日本にいた時の記憶がある転生者なんだ」
ソフィアやシーラ、メグたちも驚いている。
「・・・なるほどね。だから知里たちに言葉を教えることができたんだ」
ソフィアたちはこれで納得がいったわと言う。
「ところで、知里たちに言っていて、私に隠してることは、他にはないわよね?」
ソフィアは詰めてくる。
「もう、ないはずだ」
「そう、ならいいわ。ところで知里と美咲、ずるくない?私もそこに座りたいわ」
「あはは」
知里は笑ってごまかす。
「ふふふ、早い者勝ちよ」
美咲は勝ち誇る。
「っ!!」
「でも、ソフィ変わったね。素直になった」
「当たり前よ。もう愛し合った仲なんだから」
ソフィアが誤解を生む発言をする。
知里と美咲が「どういうこと?」と言って、俺をジロリと見上げる。
「おい、ソフィアわざと誤解させるように言ってるだろ。抱きしめたがまだそれ以上は進んでないだろ」
と慌てて弁明する。
「ふんっ ヘタレ」
「おまえ 聞こえてるぞ」
と苦笑する。
知里
魔力 ☆☆☆☆
属性 雷木
魔法 小雷 雷球 雷矢 促成 結実
美咲
魔力 ☆☆☆
刀術 加速 身体強化
スキル 飛燕
芽衣
魔力 ☆☆☆☆
属性 火風
魔法 灯火 火球 火矢 送風 風刃
ソフィア
魔力 ☆☆☆
槍術 加速 身体強化
スキル スラッシュ ダブルピアース
4属性スラスト
シーラ
魔力 ☆☆☆☆
属性 水木
魔法 ウォーター アイスボール ヒールウォーターアイスアロー フォース フルート
メグ
魔力 ☆☆☆☆
属性 光
魔法 ライトボール ライトアロー ヒール
メル
魔力 ☆☆☆
短刀術 感知 加速
スキル 隠密
ミラ
魔力 ☆☆☆
弓術 命中 速射
スキル 4属性アロー(火水風土)