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知里の決意

翌朝

「3日、時間が出来たから、冒険者ギルドに行くが、街に行きたいやつはいるか?」

「あっ 私行きたいかな。調味料とか買いたいし」

知里が一番に手をあげる。

「「「っ!!!」」」

ソフィア、美咲、芽衣は今日は遠慮したようだ。

「じゃ 私が付いて行こうかな。知里一人だとシン君用事済ませれないでしょ?メルちゃんも来てくれる?」

シーラは何か考えがあるのかそんなことを言う。

「ん」メルはコクリと頷く。


王都エナメル 中央広場

「昼は一緒に食べようか?それまで解散だ」

「うん またあとでね」

知里 シーラ メルと別れてギルドに向かった。

ギルド掲示板を見ると、思った通り盗賊の討伐依頼が所狭しと並んでいる。

それを見てから、ギルド受付に向かう。

「盗賊の討伐依頼を受けたいのだが、明日か明後日に実施される依頼はないだろうか?」

「そうですね、あなたのパーティーは何人なの?タグを見せてくれる?」

「9人ね。それならこの依頼がいいかもね」

と、書類の束の中から取り出した依頼書を見せられる。


依頼書

アイザック盗賊団の討伐

規模 約100人

場所 マークス侯爵領マークス街道一帯

日時 メンバーが集まり次第 その翌々日

難易度 B

人数 最低30名(戦闘奴隷含む)

報酬 1人小金貨5枚(奴隷は除外)

ペナルティ 金貨5枚

集合場所 マークス街道入り口

備考 アイザック以下幹部5名が賞金首であり、首を討伐証明とする。女性、少女たちかなりの人数が捕らえられている。


「現在5パーティ26名集まってるわ」

「よし、この依頼を受けよう。ただし、うちからの参加人数なんだが6名になるかもしれんがいいか?」

「ええ それは構わないわ。規定人数に達しさえすれば。それじゃ明日6パーティで打ち合わせするから、朝10時に会議室に集合よ」

と言って依頼書のコピーを渡される。

その後、武器屋に寄ってみる。前回のゴブリン討伐で剣が折れたため、新しい剣を注文していたのだ。

「オヤジできたか?」

「お 来たか。チキュウの知識のダマスカス鋼と言うものは、結論から言うと作れん。というより奴隷たちから得られる知識は、作業工程が簡単なものしかできないんだ。意思疎通が難しいからな。ということで、次点で亜人の国のドワーフ製の剣がある。これでどうだ?」

試し切りをさせてもらい、及第点ではあるので金を払い剣を受け取って出て行く。


昼頃知里たちを探すと、広場にいた。

「それじゃ 飯に行こうか。どこかいいところはあるのか?」

「あのレストランなんかいい感じだよ。・・・

あっ 買い忘れた。メルちゃん一緒に来て。シン君たちは二人で食べてて」

(シーラあからさますぎるだろ)

と考えながらも

「ああ わかった。先に行ってるからな」

店の奥の個室の席に通され料理を頼む。

「二人でこうしてゆっくりと喋るのははじめてだな」

「うん そうだね。いつもみんなと一緒だから」

それからたわいない会話をしていると、料理が運ばれた。

「シーラとメルはどこかで食べてくるんだろうから、俺たちも食べよう」

「うん。シンも気付いてると思うけど、シーラがね二人っきりにさせてくれたの」

「ああ」

「それでね、気持ちはちゃんと伝えないとダメだよって言ってくれたの」

「それでね、ソフィアちゃんや美咲ちゃんや芽衣ちゃんたち・・・はかわいいんだけど、私もねシンのことが好きなの」

「ああ みんなの気持ちにも気づいているし、好きだ。もちろん知里のことも好きだよ」

「ただな、俺には転生者ということの他にも秘密があるんだ。その秘密を伝えていない以上は、先に進むことは出来ない」

「たぶん・・・この秘密はこの世界に転生させられたことに関係することだと思う。おれもそれが知りたくて旅をしているんだ」

(俺は何者なんだ?魔族と亜人のハイブリッドで心は人間という・・・)

苦しそうな顔になる。

「シン とても辛そうだよ。言いたくなければ言わなくてもいいんだよ」

「いや 言いたくないわけじゃない。俺は知里たちを保護している立場だから、今は言えないんだ。知里たちが俺がいなくても、この世界でやっていけるようになったら、教えるつもりだったんだが」

「うん わかったよ。わたし強くなるから、一人前の女になるから。その時はシンから教えてね。シンはわたしのこと好きなんだよね?」

はにかみながら再度確認してくる。

「ああ 知里は気遣いが出来て、優しく、穏やかな雰囲気だから一緒にいて癒されるんだ。だから俺も好きなんだ」

「っ! 私もよ、私もずっと一緒にいたい。だから待ってるからね。」


少ししてタイミングを計ったようにシーラとメルが来た。

「お待たせ〜。ふむふむ。うまくいったようね」

シーラは俺と知里の顔を交互で見て、一人で納得する。

知里はシーラに見られて、真っ赤になって俯いてしまっている。

メルは無表情で「・・・」いつも通りだ。

シーラとメルは何か食べて来たらしいが、甘いものなら入るわよと言って、二人とも大盛りのパフェを食べていた。

その後依頼の件もあり、早々にドームに帰った。

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