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運命の出会い 2

しばらくして中学生の子が目を覚ました。

ぱちぱちと目を瞬かせて、少し上体を起こしてきょろきょろと、部屋を見回している。

俺と目が合うと、ビクッとして固まりジーっと見つめてきた。

俺はなるべく柔らかい声で

『のどが渇いてるだろ、これを飲め』

と水筒を口にあてがってやった。

気恥ずかしそうにコクコクと飲むと

「く〜」

と、どこからか音がなり、中学生の子は顔を真っ赤にして俯いてしまった。

『粥を作ったからたべたらいい。今持ってきてやる待ってろ』

トレイに粥が入った器とジュースを乗せ持ってきたが、置くとこがない。

「クリエイトアース」

病院の寝台机を作りそこにトレイを置いた。

中学生の子は目を見開いて驚いていたようだが、とりあえずスルーして

『自分で食べられるか』

と言ってスプーンを渡してやった。

俺の生命力が効いているのか、

『はい』

と言って粥をゆっくりと食べた。


次に目を覚ましたのは小学生で、この子も中学生と同じ反応だったが、粥は自分で食べられないのか、俺が食べさせてやった。中学生はジーっとこっちを見ていたような気がしたが、食事が終わったところで、高校生がまだ起きないため、少し質問してみた。

『俺はシン。君たちの名前を聞いてもいいか?』

『はい、私は高木美咲です。』

『みさきか、みさきは中学生か?』

『はい、2年生です。』

『そうか、で君は?』

と小学生の方を向いて尋ねてみた。

『あ はい 私は遠藤芽衣です。小学6年生です。』

『美咲と芽衣か俺のことはシンと呼んでくれ。13歳だ』

『事情を聞くのはみんな起きてからだな。とりあえずまだ寝ててもいいぞ。トイレはあのドアだ』

『『ありがとうございます』』


それから2時間ほどして高校生が目を覚ますと

また水を飲ませてやり、粥を食べさせてやった。この子は三島知里というらしい高校1年生とのこと。


『知里 美咲 芽衣は一緒に召喚されたのか?』

『はい というよりも多分200人くらいいたと思います。原っぱでした。』

知里がこたえる。

『ん?なぜ森にいたんだ?』

『それが私たちの近くにいた女の人が、ここにいたら酷い目に遭うから逃げなさいって大きな声で周辺に言ってたんですけど、みんなもどうしていいかわからず動こうとしなかったんです』

『女の人はもう時間がないからおいでって言って私たち3人を森に連れてきました。森に入ってすぐに、男の人の怒声と女の人の叫び声とか聞こえてきて、怖くて走って逃げて来たんです。』

『森に入るところをみられていたのか、後ろの方から、声が聞こえて来ました。隠れるところを探したんですけど、私たちのいたところには3人でいっぱいで、そこにわたしたちを押し込むと女の人は走っていなくなりました。』

『それからすぐに、雨が降って来て、上から大きな木が落ちて来て、入り口が塞がれてしまったんです。それで外に出られなくなり、あそこに多分1週間くらいはいたと思います。』

そう言うと3人はぽろぽろと涙を零し泣いてしまった。

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