バレバレ?
「ただいま」
「おかえりなさい」
リビングには知里 美咲 芽衣が待っていたので、簡単に経緯を説明した。
「とりあえず座ってください。マーガレット様はこちらにどうぞ」
と上座を勧めた。そのあと知里がみんなに果汁水を出してくれて、ひと息ついたところで話しはじめた。
「簡単に紹介しますね。こちらの3人はこの春にある事情により保護した者たちで、三島知里 高木美咲 遠藤芽衣です。」
「「「よろしくお願いします」」」
「あら こちらの言葉を話せるのね」
王女は驚いていた。
「はい 私が教えました」
「なるほど さすがシン様ですね。では自己紹介しましょうか私はマーガレット=エバニアです。この国の第二王女ですわ。」
そして、順に側仕えのメル=スターリング とミラ=フューゲル 学友のソフィア=クレイド とシーラ=ベルメールと4人は自己紹介した。
知里たちは王女と聞いて、目を見開いていた。
各々思うところがあるようだが、緊急事態ということで大人しくしている。
(いつものソフィアならもっとあれこれと聞いてきそうだが、さすがにTPOはわきまえるんだな)
などと失礼なことを考えてソフィアに微笑した。
「何よ」
(こんな可愛い子達と一緒に暮らして、どういうことよ 。一人で旅するって言ってたじゃない)
と小さな声で呟いてこちらをみている。
「王女様 実際王都で何が起こっているのか、確認して来ますね。メルさんとミラさんを連れて行ってもよろしいでしょうか」
「こちらからお願いしたいことですわ。メルとミラ シン様についていき王都の現状を確認してきてね」
「「畏まりました」」
「知里 王女様たちをよろしく頼むよ。プライベートルームはどこを使ってもいいから」
「うん わかった こっちは任せて。気をつけてね」
(ソフィアがさっきから睨んでくるんだけど。なんかまずいことしたかな?さっき失礼なこと考えていたことがばれたか?)
「じゃあ 行ってくる」
と言ってそそくさと、メルとミラを連れて王都に転移した。
「あー もう!逃げられた〜」
「緊急事態なんだから仕方ないでしょ」
ソフィアが不満を漏らすと、シーラに宥められている。
「シン様がいないところで、あまり立ち入った話しは出来ないのですが、失礼ですが知里様たちは奴隷ではないのですよね?」
「はい 私たちは森の中で1週間ほど飲まず食わずで、死ぬところでした。シンに偶然助けられて、それから言葉とか教えてもらい、今は冒険者としてパーティーにいれてもらっています」
「さすがシン様ですわ。学院にいた頃は寡黙で人付き合いはほとんどしていなかったようですが、すごく頭が良く剣術武術魔術全て優秀だったのですよ。でもソフィアとはよく一緒にいたように記憶してますが」
とソフィアの方を見た。
「えっ マーガレット様ちがいますよ。私は学級委員長として、シンを心配していただけです」
と口を尖らせて抗議している。
「私は一緒によくいたわねと言っただけなんだけど、何かあるの?」
王女はフフと微笑している。
「ソフィは素直じゃないね。やっと久しぶりに会えたんだから。気持ちをぶつけないとダメだよ」
「っ、シーラ なっ なに言ってるのよ。まったく」
ソフィアは真っ赤になりながら抗議した。
その様子をジーっと美咲と芽衣が見て2人はアイコンタクトしている。
(ソフィアさん絶対シンのこと好きだよね)
マーガレット=エバニア 14歳
大人の雰囲気で憂いを帯びた表情の美人
メル=スターリング 14歳
どこか儚さをを持った可愛らしい無口な美少女
ミラ=フューゲル 14歳
力強い意思を感じる目をした美少女