1/4
プロローグ
これから加筆修正の可能性もあります。
「(忘れない、忘れられる訳がない)」
ぱち、ぱち。
音を立てながら、それはまだ消えない。
霧のように広がる灰の煙で視界が狭まる。
熱い、熱い。
でも分かる。これが普通に発生した炎ではなく、とても憎いものだというのが。
ーーマナの処刑人。
何故マナの処刑人が花畑はともかく村も焼く必要があるのか、という理由はどうでもよかった。
私も必死に抵抗した。
でも炎は更に火力を高めて……私は煙を吸った影響で咳込み、やがて意識を失った。
それでも忘れない。
僅かに認識できた……少し黒みのある鈍い赤色、真朱の髪を持つ男を。
私は許さない。
のに、何で……何で……。
「俺と、結婚して下さい」
どうしてその張本人が私に求婚してきてるのよ!?