2話
「ど、どういうことですか?」
俺は焦り口調で畑島に尋ねると、彼はニヤリと口だけで笑っている。
目は鋭い眼光がギラリと輝き、まるで何かを企んでいるかのように見える。
「君には分かるはずだ。なぜこうして捕まったのかを」
「いえ、私には分かりません。なぜこうして捕まったのか、教えてくれませんか?」
畑島は俺の焦り口調を聞くと、いきなりガタッと立ち上がる。
折りたたみ式のパイプ椅子が彼の後ろに倒れ、床に落ちた衝撃音が辺り一面に響き渡る。
そんなのも気にせずに、畑島は扉の方向へと身体を向けた。
彼の背中を見ると、すらっとした姿勢をしておりどこかのセールスマンに見える。
そんな彼は地面に転がっている椅子を踏みつけて、重くて分厚いドアをすんなりと開けてみせた。見た目よりも力はあるようだ。
そのドアの向こうにいたのは車椅子に乗っている人だった。
包帯を全身に巻いているため、男か女かも見た目だけでは判断できぬ。
包帯には所々血がついており、今でもその赤黒い液体が流れている。
俺はこれを見せつけられて、衝撃的だった。
もしかしてこいつが俺と何か関係があり、訴えられるのではないかと考えた。
しかし次の瞬間、その考えは裏切られてしまった。