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第8章 羞恥
街にくりだしたおれは、とりあえず本屋に向かった。
久しぶりにきた本屋で、おれが向かった先は、恋愛本コーナーだった。そして、意を決したおれは、一列端から端までの恋愛指南書をかごの中に入れる。
「お~」周囲からはなぞの歓声が起きた。まだだ、まだおわらんぞ。さっそく、折れそうになる心をおれはネタで慰める。
ピッ『よくわかる、モテ男の心理』。ピッ『ナンパ師が教える恋愛術』。ピッ『簡単!異性にもてる方法』。ずっと、店員さんのターンが続く。それも、タイトルを丁寧に読み上げてくれている。周囲からは失笑が起きている。
(やめて、おれのメンタルはとっくに0よ)
永遠とも思える時間が続いた。
「合計3万2千円です」(やっぱり高い)
「カ、カードで」
「ありがとうございました」周囲からは、なぜか拍手が起きていた。
これで、とりあえず、恋愛を研究しよう。20冊以上の本の重みとメンタルに受けたダイレクトアタックのダメージで足取りが重かった。
でも、これでおれは前に進んでいる。