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第7章 恋愛ってなんだっけ

「恋人をつくる」人生最大の難問だった。そもそも、ここ数年、仕事関係以外の女性と話をした記憶がない。その前のニート時代はいわずもながだ。ネトゲで、おじさんらしきネカマと結婚したのがせいぜい。あれは、お互い同意の上だったし、イベント消化のための緊急手段だったからノーカン。


 最初は、猫耳をつけて、フリフリの衣装で。だまされてもいいかなと思ってしまった。

「タッツさん、はじめましたなのにゃん」

「今日はふたりで遊べてたのしかったのにゃん。また遊ぼうね(^^♪」


「おれの春が来たあああああ」

しかし、これが人生最大の黒歴史の誕生だった。


 そもそも、あのおじさんは、途中までは顔文字やら語尾を工夫していたが、結婚生活末期には完全に男口調になっていた……。

「おい、タッツ。きょうはどこいく」

「ぐへへへ、ザコが~」


「ニャンニャンはどうしたんだよ、おやじ……」

イベントが終わったら、即離婚したのはいうまでもない。


 というわけで、ネット生活ではバツ1の自分だが、現実世界ではバツをつけることすらままならないだろう。学生時代に数か月つきあったくらいで、恋愛経験はほぼ皆無。


 向こうから告白してきたのに、しばらくすると


「ごめん、やっぱり違ったわ」と冷徹なひとことで終わりを迎えたあの一瞬の奇跡。その後、買い込んだデートスポット情報誌を、泣く泣く資源ごみにだした苦い思い出だ。


 さて、わたしの「リアルオフライン」の世界では、経験値ほぼ皆無。初期装備で、スキル0状態だ。このままでは、転生する。せっかく、リアルも充実してきて、生活費も稼げて、オタクイベントにも行き放題だというのに……


 ここで、転生するわけにはいかない。


 とりあえず、レベル上げだ。おれは、街に繰り出した。

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