第5章 あたらしい光
1年間の自宅引きこもり留学を経て、おれは外に繰り出した。
親に「就職先を探してくる」といった時、逆に親が転生しかけていた。
久しぶりの遠出だ。トラックに要注意しなくてはいけない。
調べておいた英語の資格試験を申し込む。とりあえず、有名どころを3つほど。あと数カ月で、貯金も底をついてしまうだろう。その前に実績づくりだ。
とりあえず、過去問をやってみる。簡単だった。簡単すぎた。できてしまった。一瞬、馬鹿にしてるんじゃないのかと疑ったほど簡単だった。
本番では簡単すぎて、30分も時間が余った試験もあった。
そして、結果はすべて合格。もしくは、ネイティブレベルの点数だ。しかし、喜びすぎてはいけない。心臓発作のリスクもあるし、調子に乗りすぎて異世界に召喚されることだってありうる。
とりあえず、できる限りの実績はつくった。
そして、面接をうけまくる。いくつかの会社は、書類審査で落ちた。しかし、興味をもってくれた会社もたくさんあった。さすがは有名資格試験。
通訳のようなバイトでもいいから、働かせてくれと頼み込んだ。最初から正社員だと前回の失敗をくりかえす可能性がある。潜り込んでからの、偵察も必要なのだ。
1社といいところまで、話が進んだ。今度、海外の取引先がくるそうなので、そこで通訳してくれといわれた。社内の英語の達人が、長期出張中だったので困っていたそうだ。
おれはふたつ返事で引き受けた。
そして、おれの第2の社会人生活がはじまったのだった。