第2章 社畜編
紆余曲折の末、なんとかニート生活を脱出し、社会人としての第一歩を踏み出したおれ。しかし、転生問題は、まだおれを逃がしてはくれなかったのだ。
夢にあふれて、はじめた新生活。
よろこび勇んで手にいれた初給料。
ここまでは、本当に順調だった。おれは完全に転生トラックと縁が切れたと喜んでいた。ビバ、現実世界。ビバ、二次元。
しかし、社会はそんなに甘くなかった。慣れていくにつれて、増えていく業務量。そして、サービス残業時間。
奇跡的に拾ってもらった会社は、なんとブラック企業だったのです。まる。今月の残業時間は、100時間を越えた。
このままでは、トラックとの衝突ではなく、社蓄生活のはての過労死。からのファンタジー世界への転生。悪魔の黄金パターンにはまってしまう。
社蓄生活の唯一の癒しである二次元と、こんな別れを迎えるわけにいかない。
おれは悩んだ。
そして、決心したのだ。転職を……
はたして、奇跡は2度起きるのか。起こさなければ、剣と魔法の世界。
恐怖の2択だった。
それでも、おれは決心した……。
「もう1回奇跡を起こそう」と(プロジェ○トX)