第18章 ラブコメ?
「お待たせいたしました。ご注文のビーフシチューとシーフードドリアです」料理が運ばれてきた。
「うわ~美味しそうですね。お皿や盛り付けもおしゃれで、素敵です」
「本当においしそうですね。食べるの楽しみだな」
「すごく美味しいです。シーフードがいっぱい入っていて、ホワイトソースがとてもクリーミーです」
「いいですね。こっちのビーフシチューも、お肉がすごく柔らかいです。最高」さすがは安西先輩のチョイスだ。
「よかったら、一口交換しませんか?」彼女はとても魅力的な提案をしてくれた。これが若さか……。リアルって素晴らしい。
「ハイ、喜んで」いつものブラック企業の受け答えが出てしまう。
「もう。なんで、そんなに黒いんですか(笑)。でも、美味しそう。達雄さんも、ホタテ食べてくださいね」
そして、彼女は、おれの前にドリアが乗ったスプーンを差し出してきた。これはもしかして、「アーン」という行為か。こんなことが実在するのか。神話世界だけの話だと思っていた……。
胸が高鳴る。おれは思い切って、口を開いて、ドリアをパクリ。美味しかった。沙織さんの優しさという最高のスパイスだ。まずいわけがない。
そして、自分もお返ししなくてはいけない。まさか、自分があの行為をする日がくるとは。
「じゃ、じゃあ、沙織さんも食べてください。このお肉すごく美味しいでう、ですから」スレなら(震え)と書かれているだろう、セリフだった。
「ホロホロですごく美味しいですね。幸せだな」本当に天使のような顔をしてくれる。
「よかった」
「あっ、でも……」
「どうしました?」おれは不思議そうな顔でたずねた。
彼女は少し顔を赤らめて、それでもからかい半分で答えてくれた。
「何気なく、間接キスしちゃいましたね……わたしたち」




