「ペット、なのです!?」
わたしのママはねこみみ魔女。パパは人間の勇者。だからわたしはねこみみ勇者。
しばらく前から妖精さんを飼っていますが、何か芸でもしこめないかとちょっと思いました。
妖精さんは、甘いものが好きです。私のねこみみの間でうつ伏せでごろごろしながらクッキーやら何やらおかしを食べるので、髪がべたべたします。にぅ。
甘いものが好きなのですから、オヤツを餌にしてなにか仕込んで見ましょう。
こっそり戸棚から持ってきたコンペイトウのビンのフタをあけて、中身を少し手のひらに出します。
「ほら、とってくるです!」
って、遠くに投げようとしたら。
「みゅ」
一瞬のうちに妖精さんが空中でコンペイトウをキャッチして、定位置であるわたしのねこみみの間に戻ってきました。すごいです。オヤツがからむと、妖精さんの速さが段違いです。
……これは何かに使えそうな気がしてきました。
えい、えい、と何度かコンペイトウを投げましたが、妖精さんの速さと正確さは恐ろしいほどでした。やっぱり、地面に落ちたコンペイトウは舐めたくないでしょうから当然かも知れませんが。
うまく方向と距離を調節できればいいのですけれど。
「……なにやってるの、ねこみみ勇者」
そこへ、近所の教会に住む聖女ちゃんがやってきました。
「あ、聖女ちゃんなのです」
ずっとコンペイトウを投げていたので、つい、聖女ちゃんに向かって投げてしまいました。
そうしたら。
「ぎゅあば!」
と聖女ちゃんが、ちょっと乙女が上げてはいけない声を上げながら、ばったり地面に倒れることになりました。
……この技は、妖精ミサイルと名づけようと思います。おそろしい必殺技が生まれてしまいました。にぅにぅ。