表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/30

「修行、なのです!」

 わたしのママはねこみみ魔女です。パパは人間の勇者なのです。だからわたしはねこみみ勇者。

 勇者なのでちょっと剣の修行でもしてみようかと思いました。

 この間は棒切れを振り回していてママにからかわれたので、今日はちゃんとした人に教えてもらおうと思います。にぅにぅ。


 そういうわけで、近所に住む戦士さんを訪ねてみました。

 戦士さんは少し変わっています。いえ、どちらかというと、かなり変わっています。

 「じょうざいせんじょう」というのでしょうか、どこに居ても常に戦場に居る心構えだとかで常に全身鎧を身に着けています。普段着用、お出かけ用、就寝用と用意されたさまざまな全身鎧をいつも見にまとっています。

 実はただのヨロイスキーなんじゃないでしょうか。

 残念ながら中身を見たことはまだありません。

 ……もしかしたらリビングアーマーだったりするのかもしれません。ちょっとこわいです。にぅー。


 剣を教えてください、とお願いしたら、戦士さんは庭に出たあと、少し離れるように言いました。どうやらお手本を見せてくれるようです。

 戦士さんが、ずばん、と大きな両手剣を振り下ろすと、少しはなれたところの樹がめきめきと音を立てて倒れました。

 すごいです。わたしの”にゃばん・ストラッシュ”の完成形を見た気がします。

 ぱちぱちと拍手しながら、ぜひ教えてくださいとお願いしたら、戦士さんは首を横に振りました。

 なんでも、基本的な剣の振り方くらいは教えるけれど、魔法の使えない戦士の剣を学ぶよりは、わたしは勇者なのだから魔法を使える前提で学んだ方がよいのだそうです。

 勇者は、攻撃魔法・回復魔法・支援魔法を全て使える上に近接ぶつり戦闘までこなしてしまうちょーすごいしょくぎょうなのだそうです。

 勇者やばいです。なんだ少し、かわくわくしてきました。

 ちなみに戦士さんの「超・戦士斬り」を身につけるには最低でも十年はかかるそうです。にぅ。


 お家に帰ってママに魔法を教えてもらおうとしたら、「さいのうないにゃー」って言われてしまいました。

 勇者は攻撃魔法も使えるという話はなんだったのでしょうかっ!?


 ……ステキな勇者への道のりは、まだまだ遠そうです。にぅにぅ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ