表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/30

「ねこみみ魔王、なのです!」

 わたしのママはねこみみ魔女。パパは人間の勇者。なのでわたしはねこみみ勇者。

 最近の悩みは、近所の魔王が毎日のように襲撃をかけてくることです……にぅ。


「ねこたん、あそぶのー!」

 今日もまた、小さな暴君がやってきました。

 いつものように、ぬいぐるみのようにぎゅうと抱きしめられて、自慢のねこみみをわしゃわしゃとなでまわされます。最近はしっぽも気になるようで、ときおりきゅうと引っ張られます。

 一度、弟魔女のねこみみをポロリしてからは、わたしのねこみみやしっぽも取れてしまうのではないかと、多少は手加減をしてくれるようになったのですが、それでもやっぱり身体が持ちません。


 小さなのうみそを振り絞って、考えました。

 魔王ちゃんは、ねこみみが大好きなのです。ならば、ねこみみをプレゼントしてみてはどうでしょう? 自前のねこみみがあれば、わざわざわたしのお耳をなでまわさなくても自分のねこみみをなでてくれるのではないでしょうか。

 さっそく、以前、弟魔女のねこみみカチューシャを買ったお店に行って、新しいものを買ってきました。新商品でねこしっぽベルトが売っていたので、それも合わせて購入しました。

 ……おこづかいがぴんちです。


「これあげるから、もうわたしのお耳をひっぱらないでほしいのです」

「ねこみみ、かわいー」

 魔王ちゃんがいつも被っている、いかついツノの生えた鉄のカブトをひっぺがしたら。

 中から、ゆるふわな金髪がさらさらと流れ落ちてきました。

 びっくりしました。

 いつもはカブトで顔半分隠れていて見えませんでしたが、魔王ちゃん、中身はまるで天使のような美少女でした。べりぷりちーです。

 おそるおそる、ねこみみカチューシャを魔王ちゃんの頭に乗せると。

 わんだほー! ねこみみ魔王の誕生です!

 かわいすぎます。思わず、ぎゅうと抱きしめて頬ずりしてしまいました。

「にゃー、にゃー」

「魔王ちゃんかわいいです!」

 背中から抱きしめて魔王ちゃんの頭に顔をうずめていたら。

「……あれ、ねこみみ勇者のとこって三人きょうだいだったかしら?」

 聖女ちゃんがやってきました。

「まおは、ねこみみまおなのー」

 ごきげんな魔王ちゃんが、両手を上げてごあいさつ。

「魔王ですってっ!? 勝負よっ!」

 いきなり襲い掛かってきた聖女ちゃん。1秒でKOでした。


「ねこみみ、おそろいなのー!」

 ねこみみ魔王ちゃんがかわいいです。自分のねこみみをさわさわしてうっとりしています。

 思惑通りに行った様でなによりなのです。なんだか妹が増えたみたい。にぅにぅ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ