表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/30

「酒場で情報収集、なのです!」

 わたしのママはねこみみ魔女。パパは人間の勇者。だからわたしはねこみみ勇者なのです。

 この間は、魔王を探しにいきましたが結局見つかりませんでした。

 そこでぴきーんとひらめいたのです。じょうほうを手に入れるなら、酒場に行くのです。

 物語ではたいがいそういうことになっています。それがせおりーというやつなのです。にぅ。


 酒場のドアを開け、「こんにちわです!」と元気よく声を上げたら、がらんとしたホールの中、カウンターの中にいたおじさんがお皿を洗いながら、困った顔で「どしたんだい、お嬢ちゃん」といいました。

「魔王を探してるのです。おじちゃんしらないです?」

 と聞いたら、困った顔をさらにくしゃりとしかませて、おじちゃんが肩をすくめました。そうして、カウンターに座っていたもうひとりのおじちゃんの方を見ました。

 真昼間っからカウンターで飲んだくれているおじちゃん。かなりダメ人間です。にぅ。

「おい、なんだいちびねこさん、勇者ごっこかぁ」

 ダメおじちゃんがお酒臭い息を吐いて、フォークに刺したソーセージにかぶりつきながら言いました。

「わたしはねこみみ勇者なのです!」

 って胸を張ったら、ダメおじちゃんが肩をゆすって大笑いです。

「ガハハ! じゃあ、おじちゃんが魔王をやってやろうかなぁ」

 言いながら、ファークに刺したソーセージをわたしの目の前に突きつけてきました。

「勇者よー! 魔王の軍門にくだれば、このソーセージをくれてやろう、ってなぁ! ハ、ハ!」

 すごくおいしそうなソーセージでした。

「むう。バカにしちゃいけないのです。もぐもぐ。悪い魔王の言いなりにはならないのです。ごっくん」

 伝説の木の棒を抜いてダメおじちゃんに突きつけると。

「……いや、お前食ったろ? 魔王の誘いに乗るとか、お前さん勇者失格なー?」

 真顔で言われてしまいました。


 ソーセージがおいしそすぎるのがいけないのです。わたしは悪くありません。

 ……ソーセージおいしかったです。ご馳走様でした、にぅにぅ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ