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神幸祈とは(side F)

天才狙撃手の青い彼女は、いつもサングラスをしている。彼女の固まった心を解すため周りの人が頑張ったり、彼女が頑張ったりするお話。

(sideの部分は登場人物の頭文字です)

「たいちょう…?」


無線から部下の声が聞こえる。

部下は女でありながら、軍に入隊した。

最初は彼女を舐めていた。

どうせ、性欲処理の道具として使われ、軍から捨てられる。そんな風に思ってた。多分俺以外の奴等も殆どそう思ってたんじゃないかと思う。

女は逃げればいいものをなぜ彼女は立ち向かおうとするのか。

俺には理解出来なかった。


ま、そんな考えも今じゃ吹き飛んだんだがな。


それは、軍の訓練生が配属される部隊が決まる日だった。

俺達の軍では体術やら狙撃やら司令などの各種目訓練生最優秀者を発表され、そいつらを運が良いと部隊に一人いれることができる。

その優秀者の中に彼女の名前はあったのだ。


『狙撃優秀者 神幸 祈』


 各隊の隊長が集められたこの部屋でその名前を見た瞬間、俺の胸はざわついた。俺が隊長を務める第十部隊は特殊班と言われるぐらいで過去に優秀者の栄光をとった者しかいない少数精鋭だ。

そのため遠距離戦が得意な狙撃手が現在一人しかいない。

だから今回の入隊では優秀な狙撃手を隊にいれようとしたが、その狙撃手が女となれば話は別だ。女が部隊にいたとわかれば部隊は間違いなく女を狙う。女はすぐ殺せるうえに、売ると良い値がつく。

そんなことをわかりながら彼女を自分の隊にいれるメリットはなかった。

彼女は狙撃は歴代の優秀者の中でも群を抜いて狙撃が上手く狙撃に関しては天才的、だが体術やナイフ捌きなどの近接戦はからっきし駄目ならしいのだ。しかし他のメンツを見ても欲しいとは思えない。

近距離優秀者は間に合ってるためいらない、司令優秀者はおそらく司令塔である第三部隊がとる、空機操縦優秀者は上空戦担当の第四部隊、潜水艦操縦優秀者は海上戦担当第五部隊が、ということでどれも欲しいと思えなかった。

今年は優秀者をいれなくていいかなと俺は思う。


『福井、第十部隊は狙撃手が欲しいと言っていなかったか?』


第一部隊隊長が俺にいう。俺と同じ年である彼に以前狙撃手が欲しいとはなしていた。

今は彼に話したことを後悔する。こうなったら、俺が彼女を隊にいれる以外の理由がない。

生憎、狙撃手に不足している隊は無いようだしな。だが、


『あぁ……欲しいと言っていたが、女は『大丈夫』……は?』


俺は女はいらないと言おうとしたが、遮るように医療担当第二部隊隊長の神崎がいう。


『彼女はその辺の狙撃手よりも格段に上手い。その代わり近距離戦はあまり得意じゃないけど、護身程度ならできる。』


俺が何故そんなことを知ってるのかと疑問に思うとそれに気付いたのか神崎はこう言った


『軍に女が入ったって聞いたから、どんな奴かなぁっと思って彼女の参加する訓練を見に行ったんだ。最初は体術の訓練で、でっかい男を相手しててさ。殴られるのは避けてるみたいだったけど、神幸さんから攻撃してるのは見なかった。だから、そんなもんなのかなって思った。』

『でも狙撃練習を見た瞬間鳥肌がたったよ』

『本来なら撃ち合う中で、彼女は全員に一回も撃たせずに全員を撃ったんだ。』


苦笑いをしながら神崎はそう言った。

そんなことを言われると俺の彼女への興味は大きくなる。


『……わかった。神崎医療隊長がそんなに褒める位の凄い奴なら俺も興味がある。』


静まる部屋に俺の声が響く。


『神幸祈を第十部隊特殊班にいれます』



私の小説二作目。連載物って大変そうだね。週一回は更新するように頑張るよ。

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