プロローグ
――ああ、この失敗した。この世界もお終いだ。
実に仰々しい、神話のような台詞回し。だがこの言葉は、多くの人間がその重みとは関係なしに味わう「敗北」である。
過ちを犯さない人間など存在しない。誰しもが大小なりとも必ず失敗し、その大小に関わらず人生が大きく左右される。人々はそれを「現実」として受け止め、折り合いをつけて生きている。
来年度の春に高校入学を控えた一もまた、そうした壁に道を阻まれ、途方に暮れた一人。まだ思春期から抜けきっていない未熟な少年には、その壁はあまりに巨大すぎて。圧倒されてしまった彼には当然、回り道をする、或いは別の道を探すなんて賢い……訂正しよう、「諦める」選択肢など思いつくはずもなく、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
失敗とは即ち、世の終わり。言い換えるならば、剣人の人生は、たった十五年で終わりを迎えてしまった。
『あなたのその人生、やり直してみませんか?』
お久しぶりです。或いは初めまして。
蒼屋です。
新シリーズ始めました。リアル側が本当に忙しくなって来たため、最後まで書き通せるかどうか未知数ですが、今のところモチベーションは高いので、完走できるんじゃないかと。
*以前も同名の小説を挙げていましたが、大幅に修正しました。一度目を通した人も、
全くの別物になっているので、今一度読んでみては如何でしょう。
前書きにちょいちょい備考を載せることがありますが、初見の人はご了承ください。