私は馬鹿でした
更新遅くなって本当に申し訳ありませんでした!!(土下座)
夏休みの課題を片付けていたらこんなに日数が経ってしまいました。今後は、遅れないようにしますのでこれからもどうぞよろしくお願い致します。
遅くなりましたが、ブックマーク300件越えに驚くと共に嬉しさで胸が一杯です。ありがとうございます。
さて、早いもので前世の記憶が戻ってから一年が経ち私は六歳になっていた。
この一年、本当に頑張ったと自分で自分を褒め称えたい気持ちになる。
実はこの世界で、魔法を使う時に唱える呪文、それが日本語だったのだ。えぇ、やってやりましたよ。両親には気づかれないように隠れながら、魔法の練習をしまくってやったよ。殆ど独学だけど、ちゃんと練習したし、大抵の魔法だったら使える自信がある。だから、何が起こっても何とかできるわと高を括っていたのが悪いのか、罰が当たったのか、その日は突然やって来た。
「シェリーナ、明日は久しぶりに皆でピクニックにでも行こうか」
お父様がにこにこしながらそんな提案をしてくる。
我が父でもあるリトリア侯爵は、その温厚な人柄と誠実さ、優秀さで現国王の片腕とも言われている。かと言って、家族を蔑ろにする事も無く、暇さえあれば家族サービスもしてくれるという子供の理想を集めたような父親なのだ。
そんなお父様が誘ってくれたのだから、通常だったら当然答えは決まっている。しかし、この時期にこれはダメだ。絶対ダメだ。
私は顔を青くして、お父様とお母様を見つめる。
「あの、明日は何処に行くのですか?」
震える声を必死で隠しながら、そう問いかけると、お父様は未だににこにこしながら私を見て一言、
「ひ・み・つ」
「ひ、秘密…ですか」
「うん、そう。明日になってからのお楽しみ」
私が首を傾げながら問いかけても、面白そうに濁すだけで答えてくれない。この様子ではこれ以上粘っても教えてくれないだろう。
私は早々に諦めるとお父様達にお休みなさいの挨拶をして部屋を出る。
私は早歩きで自分の部屋に戻ると、棚や机の中から『ある物』を取り出す。
本当は確証を持ちたかったのだが、それが得られなかったのだから、今はやれる事をやるしかない。私は頭の中で持って行く物をピックアップしながら自分の部屋を歩き回る。
多分だが、明日はゲームの中でシェリーナの父が死んでしまった原因でもある事件ともう一つ、私の婚約者であるカイン・クロウスとの顔合わせという重大事件が二つも重なっているのだ。
今頃焦るのなら、事前に手を打っておくべきだったのに、なぜ打たなかったのか。簡単だ。正直に言おう。忘れていたのだ。魔法を使えるようになった事に浮かれていて、完っ璧に頭の中から消えていたのだ。今更後悔しても遅いが一つだけ言わせて欲しい。
「ちょっと前までの自分の馬鹿〜!!」