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高校生パラレル 体育祭 (本編及び番外編読了後推奨です)

何故かポツポツ続いてしまってる、高校生パラレルが楽しかったりします。高校生になった分気持ち大人っぽくなったのかな? 気のせい? っていう2人を楽しんでいただけたらと思います。

「あら、紗綾? 良いの? クラスの応援は」

「芳野は実行委員で席に居ないし、カルは競技の呼び出し受けて行っちゃった……みんな暇持て余してるから1人で居るとやっかいでさ」

「ふふっ、一条君がどうした、鳴木くんが……みたいな?」

「変わらないね~、女子も彼らも……まぁ、だからって睨まれる事は減ったからそこは良いけどさ」

「よく抜けれたわね?」

「あぁ、そこは坂本が声かけてくれた、松くんが呼んでたって」

「あら? 私?」

「うん、だから嘘を本当にしてみた……鳴木も、おはよー」

 いつかの球技大会の時のように、長い髪をポニーテールにして緑のはちまきをリボン結びにした、珍しい格好の藤堂が松岡の隣に座り、ついでみたいに俺にも挨拶をしてくるのに苦笑が漏れる。

 俺はオマケか? と拗ねたくもなるが

「でも、ごめん、私も集合かかったとこなの」

「あ、そっか……鳴木は? まだ集合平気?」

「午前の分は全部終わった、お前もか?」

「うん、じゃ、一緒に見てていい?」

「良いけど、ここ紅組だからな? 緑の見せ場で大声上げたりするなよ?」

 大丈夫、なんてへらりと笑って、そのまま松岡が抜けたところに座り直すのに、本当は、離れていかなかった事にホッとしている。

 あの頃と違い、藤堂は伸び伸びとしていて、こんな風に気軽に俺に話しかけて来る事も増えた……が

「あ! 坂本、さっきはありがとう、助かった~」

 招集がかかったらしい坂本にも、元気に声を掛けていて……そう、その分やっぱり、コイツの世界も広がっていくわけで……。


「あ、一条だ!」

 次の競技の準備で並んだ一条に藤堂が小さく手を振れば、そこそこの距離からでも戻ってくる仕草に、多分向こうの方が先に気がついて居たんだろう、なんてことを思う。

「懐かしいなぁ」

「ん?」

「一条の名前って、そう言えば香織に教えて貰ったんだよね、こんな風に体育祭で」

「……入学当時から結構な有名人だったと思うが、知らなかったのか?」

「あは、香織にも知らないの? って呆れられた、そうそう、鳴木もあの場にいて……あの時はリレーだったな」

 体育祭日和の晴天の下でポニーテールを揺らせながら、クスクスと思い出し笑いをしてる姿は、ひなたぼっこをしている猫みたいに心地良さげで、機嫌良く緩んだ柔らかそうな頬に思わず触れたくなるような衝動を……拳をそっと握って押さえる。

 何を考えてるんだか、そんな事、出来るわけないし、許される事でも……っ!?

 なのに突然、すっと藤堂の手が伸びて俺の首元を押さえると、もう片方の手がポフッっとその反対側を叩いた

「お、やった! 成功! 手のひらに空気を含ませて叩くと良いって知ってた? でも、まだ居るんだねぇ」

 ……思わず固まる俺に、蚊をつまんで誇らしげな姿に頭痛がする。

 蚊を仕留めるくらいだ、触れてくるのに躊躇いひとつ無かったんだろう。

「まぁ、結構暑いしね、今日……あ、水分取ってる? 少し顔も赤いし、大丈夫?」

 あぁ、もう……本当にコイツと来たら、触れたくても触れられず堪えてるような奴に、無防備に触れて……相手の自制心がもう少し弱ければ、首筋に触れた柔らかさを逃がしたくなくて、捕まえたりとかされるかもしれない、とか……思いもしないんだろう。

「たっ!」 

 ごく軽く、その額にデコピン

「そんな簡単に男に触るな、そこいらの奴が皆こんなもんで許すとは限らないんだからな?」

「むぅ……だから、ちゃんと、それくらい判ってるってば!」

 全く判ってない、って、思う俺に

「……こうすれば潰さないから汚れないし、痛くないって、思ったんだけど、嫌だった?」

 判ってる、藤堂には悪気ひとつ無くて、悪いのはお前にやっかいな気持ちを抱えてる俺で……だけど、近い距離、柔らかい視線、俺を気遣う声、に、押さえ込んでいる想いが膨らんでいくのが判る。

 無防備で無邪気な藤堂にペースを崩されるのなんていつもの事だと、冷静になろうとする俺に

「ごめんね? 鳴木でも、……だめ?」

 こっちの顔色をうかがうように近づく、珍しく気弱に少し揺れる瞳。


 ……馬鹿、俺がいちばんダメだとか、そんな事言えるはずもなくて。


お付き合いいただきありがとうございます。

この辺りの番外編ネタはちょこちょこ浮かぶのですが、書く時間が取れなくて……完全気まぐれ更新となってしまってますが、時々増えます、宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] 完全に友達枠に入れられてしまっているのを喜べないけど、隣にいることを許されているのが嬉しい。 と言うような複雑な感情を、まるで分っていない相変わらずの紗綾ちゃんに、いつもながら皆が可哀想だと…
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