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うるせえょ……絶対ちげぇし(本編読了&番外編波紋2終了後推奨です)

謎の秋の切ないお話を書きたい祭りが、私の中で絶賛開催中でして……。

荒削りとは思うのですが、書きたい欲が……。

タイトル長くて書き込めませんでしたが、もちろんパラレルです

現在連載中の柊高校の方ではまだ番外編へは行けず、結果いつもの3人が被害者(?)に、前回の一条君よりはパラレル度は低いですが、今回の黒田君の煮詰まり度も割と高めと思われます。

念のため、自作パラレルの波紋は、塾の送別会のはがきを紗綾に届けに来た鳴木君が教室から彼女を呼び出したら……というお話になります。

自作パラレル「波紋2」、もう少し黒田君の心情を掘り下げて見ました。

楽しんで頂けましたら嬉しいです。


「ちょっと、鳴木君だったよね? 今の」

「うそ、やだ、まさか本当に……」

 聞きたくもないヒソヒソとした声にイライラは募る一方で、……ったく、ばっかじゃねーの? 絶対ちげぇし、ありえねえし……。

「凄い怖い顔なんたけど」

「あ?」

「やだな? 睨まないでよ」

 みのりが人の神経逆撫でしといて、あいつの席でわざとらしく微笑んでくるから、元々評判の良くねー目つきがエラい事になってるかも知れねーけど、頓着する気にもなれなくて

「いや~、しかし、凄いね、一瞬空気がピキッってなったよ、皆考える事は一緒だね~」

「うるせえょ……絶対ちげぇし」

「ま、私もそう思うよ、だから、ちょっと落ちつき? サヤが怯える」

 そう肩をポンと叩いてどっかに行く背中に、それが言いたくて来たのか、とは思うが……正直、心中の荒れをうまく抑えられない


 ありえねぇし? とか、さっきから思っちゃいるが、掘り下げて考えてみりゃ、鳴木にはなんの制約もない気もしてくる。

 一条みてーに突っかかってたわけでもねぇし、俺みたく借りがあるわけでもねぇし……考えてみりゃ受験が終わりさえすれば?

 そんな事を考えてると、どんどん気分が落ちてくのが分かる。

 ましてや、鳴木だ、文武両道で面倒見が良くて、教師生徒問わず評判は高い、見てくれだって爽やか好青年の見本みてーな奴で……めちゃくちゃモテる癖して校内では女子とはそれなりに距離を取ってるから硬派だ、なんて言われてたりする。

 でも、藤堂にだけはずっと、妙にガキっぽく揶揄って来たりするから、あいつも弾ける様に反応を返して、傍目にはじゃれ合ってるようにしか……見えなくて、ちょっと前はそんなのは塾でだけだったのが、最近は校内でもそんな姿を見せてたりするから……実は鳴木が藤堂を、みてーな噂は以前より俺の耳にも入る事は増えて居て、そして俺は多分クラス(ココ)に居る誰よりも、骨身に染みてそれがマジだって、知っても居る。


 いつだって、揶揄いながら、じゃれながら、その視線は柔らかく、見守るように優しくて……気がつかないのなんてあのド鈍だけだろ? って思う。

 流石に藤堂が実は鳴木を……ってトコまでは思っちゃいねぇ、けど……人の想いなんて物をまるで判っちゃ居ねぇあいつを、揶揄いながらうまく乗せて丸め込むように……とか、そんな奴じゃねぇって、思うけど。

 しっかりしてるように見えて、ふわふわと天然でお人好し、危なっかしくて、時々こっちが思いもしないような事をやらかしてたりするから、目が、離せなくて……こんな奴、欲しがる奴は、この先、どれだけって……。

 想像するだけで苦しくて、俺に惚れて無くても良い、ただ、手元に繋ぎ止めておける……そんな手があればって、同じ事を鳴木(アイツ)が考えたとしたら……

 

 もういい加減煮詰まり切った頃、ようやく戻って来た藤堂(コイツ)

 自席に座りこちらを見て、けれど、目が合った瞬間、わずかに赤く腫れぼったく見えた瞳に、耐えきったと思ってたはずの、何処かがキレた、音がした

「遅かったな」

「ん? ……そかな?」

 こんだけ時間ががかって、まだ足りねぇ、とか?

「で? 何だったわけ?」

「え!?……あぁ、うん……えーと」

 歯切れの悪い答えがもどかしくて

「へぇ? 言えないような話か、鳴木と」

 聞きたくもねーって、思うのに、言えねーよーな事でもしてたのか? って思えば詰めずには居られなくて

「言えないって訳じゃ……ただ、ここではあまり」

「あ?」

 明らかに良い淀むらしくもなさに苛立ちをぶつければ、その瞳にもかすかに怒りの色が乗るのに、言い様もないほど腹が立った。

 触れられたくねぇって……事か?

「んだよ? その目」

 すると、藤堂は席を立って、俺の机に片手をついて、心の奥まで覗こうとするように真っ直ぐに俺の瞳を捉えると

「私が、鳴木と何を話してようと、関係ないよね?」

 敢えて、なんだろう、ゆっくりと告げられた言葉は、沸騰しきってた俺の頭に、氷水の入ったバケツをぶちまけられた、心地がした。

 あいつの口から告げられた、断ち切るような、関係ないって、言葉。

 そう、嫉妬も独占欲も、こいつを想う心も、藤堂にとっては………。


 その心をそのまま移すような透明な瞳にそれ以上映されるのは、どうやっても、無理で、無様にも俺は、教室を逃げ出す事しか出来なかった。

 

お付き合い頂きありがとうございます。

……秋の夜長テンションですので、正気に戻った時が怖くはあるのですがw

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