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波紋(パラレル)2

前作の続きとなります。

そうなれば、こうなるかな? と。


久々のupにも関わらず、読んで頂き本当にありがとうございます。

「遅かったな」

「ん? ……そかな?」

教室に戻ると、いつもより低い声がかかり少しびっくり

「で? 何だったわけ?」

「え!?……あぁ、うん……えーと」

どうしよう、招待の葉書は黒田の分もあるけど、教室(ここ)でその話はあんまりしたくないんだけど

「へぇ? 言えないような話か、鳴木と」

だけど、さらに低くなる声にあれ? って、思う。

「言えないって訳じゃ……ただ、ここではあまり」

「あ?」

……何? この態度

そりゃ、私はトラブル多いし心配もかけてしまったかもしれない

「んだよ? その目」

だけど、私を押さえつける様な喧嘩腰の発言に、凄く久しぶりにプチっとどっかが切れる音がした


カタン

席を立って、黒田に近づき机に片手をついて、じっとその目を見つめる、そして

「私が、鳴木と何を話してようと、関係ないよね?」

敢えて、ゆっくりと、そう告げたら、黒田はグッと瞳を屈折させてガタリと席を立ち

「……ちょっ!」

「HR始めるぞー!」

入ってきた先生と入れ替わりに出て行ってしまった……。



関係ない? わかってる、だからこそ、言われた言葉の痛みがささり、いまもそこがじくじくして、苛立ちが治らない。

そもそもこれ見よがしに鳴木が藤堂を呼び出した時から、もうキていた。


卒業迄の後何日かって今、あいつの周りはやたら忙しくて、別れの会の準備だなんだって美術部だの生徒会だの見慣れない奴がウロウロして、藤堂もいちいち嬉しげにそいつらの話に頷き、休み時間になると同時に消えるってのもザラで……今日はちょっとは大人しいか、なんて思った矢先の鳴木。


ねぇだろ? とは、思う、まさかって、鳴木だってバカじゃねえ、いくらこの時期校内が浮き足立ってるってもつられるような奴じゃねぇし。

だが、一条みたいな負い目も、俺みたいな借りも無い鳴木は、一緒に桜花を決めた今、別に言えねーって訳じゃねぇって、……そう、思えば、だんだん呼吸(いき)すら重くなってく様に感じた。


つらつら考えてた中帰って来た藤堂は、なんか薄っすら目元は赤く、マジ何やってんだって、嫉妬にトチ狂ってアイツに噛み付く無様さ。

他人(ヒト)がやったなら真っ先に笑ってやるような事。


彼女なら、それくらい許されるだろーが、ダチなら許されねぇ束縛。


「あ、居た」

「……っ!?」

「なんて顔してんの」

隣にペタンと座り、顔を覗き込まれてもどうしたらいいか分からない。

「はい、これ」

そのまま目の前にぺらりとハガキを差し出され……

其処にはお別れ会のお知らせ、とあり、がくりと肩が落ちた。

「鳴木の用事はそれ、だから本当は黒田も関係なくはない、ご……」

「こめん! 俺が悪い、本当に!!」


謝った!? ……ぐっと顔を上げて、私をしっかり見つめて。

黒田に無関係ってのは、ちょっと嘘だったから、其処は謝っておこうと思ったんだけど、私の声をかき消す様な大きな声で。

「っ!!、マジ理不尽だった、………もう、ダメか? 許せねぇ?」

懇願する様なトーンに慌てて驚きで飛んで行ってた意識を戻し

「……許せなかったら、探しに来てないよ」

何だか必死な感じに肩にそっと触れると、そこからプシューと空気が抜ける様にその場にへたり込み、俯く。

表情はわからないけど、耳が真っ赤。

そんな態度に、反省は充分感じだから

「私の言い方もキツかったよね、ごめん、許してくれる?」

すると、へたり込んだまま、相変わらず耳も真っ赤だったけれど、こくこくと2回頭が動いた。



ここまで読んで頂きありがとうございます。

この後、おまけの一作があるのですが、まだ手を入れている最中につき、もう少しお待ちください。


また、年単位の久しぶりに活動報告など書いて見ました。

ご意見ご要望などありましたらそちらによろしくお願い致します。

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