5頁目 良く有る伝説の武器?です
精霊
ファンタジーでは定番の架空の存在
例えば、魔法使いが魔法を使うのに必要だとか
例えば、古い物や大木に宿ったりとか
例えば、ロリとか巨乳なヒロイン候補とか
例えば、伝説の武器に宿って勇者に力をかしたりとか
ファンタジーな物語に、ファンタジーの要因を持たせる手っ取り早いファクターと言えるだろう。
目の前にいる幼女達は、一番最後のヤツだ。
「ジルヴァンクーラ、それが腕輪の名前?」
朱鷺がクーラに右手の腕輪を突き付け質問をする。
「その通りですじゃ。そして、わらわたちをやどすよりしろになるのじゃ。」
ふ~んと、半信半疑の視線を右手に巻き付いたソレに向ける。
どうしても、ただの金属の環にしか見えない。
「そうさのぉ……ぬしさま、ためしによんでみてくれんかの。
こう……
こい! ジルヴァンクーラ!
……みたいな?」
「え? あ、うん。え~と、
こい! ジルヴァンクーラ!」
朱鷺右腕を突き上げ名を叫ぶ。
ぶっちゃけ、右腕を突き上げたのは単なるノリだが、手首に有る金属の環……ジルヴァンクーラを中心に、朱鷺の頭上から眩い光が辺りを照らす。
気付いたら、突き上げた右手の中に1メートル位の金属の三日月が握られていた。
「これが……」
「うむ! それこそがジルヴァンクーラの真の姿じゃ!」
「はぁぁ……たんなる呪いの装備じゃなかったんだな。」
朱鷺のため息と共に呟かれた、呪いの装備発言にクーラがコケた。
「の……呪いの装備って、ぬしさま、いままでわらわたちを……そんなふうにおもっておったのか。」
顔に手のひらをあてて、ヨロヨロと立ち上がるクーラ。
どよーんと効果音がつく位の凹みかただった。
対して朱鷺は、空いている左手をヒラヒラさせながら
「いや、訳わからず手に入れて、コレまた外れないものだからつい……ね」
その軽~い返事を聞き、「はぁぁ」と深くため息を吐くクーラは、何処か悟った表情で
「ぬしさまがどういう人間かわかったきがするの。」
「あははぁ、なんかごめんね。んで、コレってどう使うの?」
「……どうも強引な……まあ、よいか。
ぬしさま、ソレの中央部をひだりてでにぎってくだされ」
クーラに言われるがままに、三日月の中央部分を左手で握ってみると、三日月の両端が青白く光出した。
その光はレーザーの様な光を互いにぶつけ合い ⊃の形がDの形に結ばれた。
「お~! すごい!
これがなんちゃらの琴か……琴?」
「生命と月の琴じゃ」
「おぉ! ソレソレ!……でもさ、コレって琴って言うより……弓じゃね?」
そう、朱鷺の手に握るジルヴァンクーラは、琴と言うよりも光る弦を張られた銀の弓と表現できる物だった。
「さすがよの、そのとうりソレは弓としての機能ももっておる。
いわゆる、武楽器というやつじゃ」
「へ~、やっぱり弓かぁ。」
「うむ、このせかいでは弓と琴の起源はほぼおなじでの。
琴は狩りのふとくいなエルフが、じぶんの弓を矢をつがえずゆびではじき、じぶんのうたといっしょに音楽をかなでたのがはじまりといわれておる。」
「ほうほう、エロ……じゃなくて、エルフか。やっぱりエルフって居るんだ。」
「おるぞ、かずはかなりへっておるがな。」
「ふ~ん。
(美人のエルフなら会ってみたいな。やっぱり理想は○ィードさんだよな。)
まぁ、いいや。でもさ、細かいかもしれんが何で琴?
見た目が弓だから名前も琴じゃなくて弓でよくない?」
朱鷺の疑問に、
「ふむぅ」
と、右手で顎をなでるクーラ。
どうでも良いが、この幼女、所作がどうにもオッサン臭い。
「そうさのぉ、それをかたるには、いまぬしさまがおられる土地の昔ばなしをするひつようがあるの。」
そして、静かにクーラが語りだした物語りは、長く繁栄を続けた王国の、最後の悲劇だった。
…………ちなみに、ず~っと静かだった幼女の片割れのジルちゃんは、クーラの膝を枕にしてお昼寝中だった。
難しい話が続いていたので、眠くなってしまったらしい。
幼女の膝枕で寝る幼女
ソレを見て、話ながら密かに萌えていた朱鷺であった。