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[5th night]★

がっつりR15描写が入ります。

「挿れるぞ」と男は囁いた。

　熱く燃えるアメジストを隠そうともせずに。

　＊　　　　　　　　　　＊　　　　　　　　　　＊

　わたしは何のことなのか分からなかった。

　一体指以上の何を入れるというの？

　混乱に支配された頭の中に、不意に侵入したのは、下腹部になにかがねじ込まれる痛みだった。

「な……に？」

「……狭いな」

　互いに別のことを考えながら、けれど感覚は同じ場所に集中している。

　穿つような痛み。

　わたしは小さく「抜いて」と囁いた。しかし彼は何も聞こえないかのようにあっさりと無視をしてみせると、じわりじわりと腰を進めた。

　そして、わたしの中にある何かが、ぐっと最奥に入ろうとして、止まる。

　彼の表情が変わるのが分かった。

「処女……だったのか？」

　わたしに対するともとれない、呟きのような問い掛け。

　呆然としている彼をどうにかしようと、わたしは声を絞り出した。

「こんな風に……中に何かが入ってきたのは初めてです」

「でも……カルスは……？」

「あの……彼とは素肌同士を合わせたことは……」

「ない、と？」

「いつもわたしが脱ぐばかりで、指だけでいつも……」

「………」

「ごめんなさい」

　精一杯従順を気取ったつもりだった。けれど彼は何の反応もせず、ただ更に腰を進めただけだった。

　何かを突き抜けるような痛みと、彼が奥へと入り込む痛みが同時にわたしを襲う。

　わたしはどうすることも出来ず、ただ彼の背にしがみついて無意識に爪を立てていた。

　彼は少しずつゆっくりと腰を振りながらも、どこか乱暴に奥を抉り、そしてそこからは少しずつ、今までに感じたことのないような快楽が生まれていった。

「あっ……んぅ」

　媚びるような声に驚き、逃げようとする腰を彼に掴まれてより深く引き寄せられる。

　思わず唇を噛めば、舌でこじ開けられて中を舐め尽くされた。

「逃げるな」

　荒く呼吸をするように吐き出された言葉はひどくわたしの胸を突き、彼はその時、なぜかとても苦しそうな顔をした。

　どうすればいいのかも問えない。最早言葉を紡ぐのさえ億劫だった。

　そうして驚くほど翻弄された。

　何度も絶頂を迎え、意識がブラックアウトするまで感じていたのは、わたしの上で暴れている、ただ一人の男のことだけだった。