[22th night]☆
若干R15描写が入ります。
「ん………ウィリアム」
もう2人とも、夜着すら纏っていない。
彼の唇と、時折舌がわたしの身体を這い回って、激しい波を起こす。
「ウィリアム……聞いて」
「………聞いてる」
「わたし、ま……だ、んっ」
胸の先端に柔く噛み付かれ、そして労るようになんども舌で愛撫されて、思わず鼻から抜けるような声が漏れる。
「あっ、聞いてないこと、があるわ」
すると彼が、唾液に濡れた唇を上げた。
「その話は後じゃだめなのか?」
「……大切なことだもの」
「今は君と繋がるより大切なことはない」
途端真っ赤になるわたしを見て、彼は可笑しそうに笑った。
「毎晩あんなに乱れているのに……
反応だけは何も知らない乙女だな」
「や……言わないで」
「それで? 何が聞きたい?」
濡れたような黒髪に指を差し込めば、アメジストが察したように目の前に現われた。
「人妻を、」
「ああ」
「誘惑………していたというのは、本当ですか」
「君を婚約者にする前の話だね」
「……これからのご予定は」
「君以外にはもう誰もいらない」
細められたアメジスト。
そして我慢出来ないと訴えるように、唐突に舌まで絡めとるキスが降ってきた。
「早く1つになりたい」
彼の左手はわたしの頬を幾度も幾度も撫で、右手はキスに夢中になっている間、彼を受け入れる準備を着実に進める。
「エリゼ、愛してる」
彼が耳元で低く囁いたのは、誰よりも2人の距離が近くなった時。
わたしは声にならない声をあげながら、彼の背に爪を立てて縋りついた。
「もう……離さないで。冷たく、しないで」
「ああ」
「愛しています、ウィリアム……」
2人はそのまま、淡く溶け合った。