前夜祭
気乗りしないが自分で取り組まなければ片付かず、次の段階へ進むことが阻まれてしまう用事を控えた夜、あなたはAM8:40にアラームをセットした。予定どおり運べば午前中に済むと見込まれていたから、ランチでもと決心をする。予約をするのはよしておこうと、席数の多そうな店を探し始めた。布団の上、PM10:24。
僅かな追加料金を払えば一日乗車券を手にできることを思い出し、用事のある建物から三十分圏内を目標にリサーチを続ける。各国料理のランチビュッフェ、しかも時間無制限の文字が飛び込んできた。PM3:30入店締切、席はPM4:00まで使えるとわかり、もうじき手に入る時間的ゆとりを想像し、あなたは安らいだ気持ちになる。平日ランチは、ドリンクバー込みで千六百円足らずだ。月替わりのフェアメニューが好みの味で充実していることも、期待の理由になった。
PM11:00を回ったところで、睡眠時間を逆算する。早めに目が覚める可能性も考えるなら、日付が変わる前には眠っておきたいところだ。照明を常夜灯へ切り替え、枕を整える。ふと、明日の天気のことが気になり、予報をチェックすると、夕方をのぞいて晴れマークが並んでいた。季節の変わり目、今日もPM5:00頃から雷鳴が聞こえては、もはやゲリラ豪雨と呼ぶには長く、激しい夕立が二時間ほど訪れていたのだ。あなたは、折り畳み傘または雨合羽を持ち物リストへ加えることに決めた。
穏やかな眠気に襲われて、端末を定位置へやる。身体のどこかに力が入っているのを感じて、寝転んだまま背伸びをしてみた。明日は、一人でランチを楽しむ日になるはずだ。「自分の機嫌は自分で取る」とどこかで聞いたようなフレーズがこだまして、そのおかしみに勇気づけられてしまう。布団の端をぎゅっと掴み、肩まで浸かるものではないと思いながらも、口元が隠れるほどに引き寄せて、目を瞑る。
晩ごはんが要らないくらいに、楽しんでやれ。




