26 好きを抑えられなくなるあなたへ
文芸部に所属している私
今度の文化祭で部員の作品を集めた本を1冊作ることになった
私も1作載せてもらうべく部室のPCに向かって創作中である
しかしモニターには1文字も書かれていない
何も思い浮かばないのだ
お慕いしている部長の事なら幾らでも書けるのに
そう思った私はアイディア出しのお遊びのつもりで書き出したのだった
入部からお世話になっているあなた
小説や詩の造詣も深く創作のイロハを0から教えていただきました
そんな部長としてしっかりと立場を全うしているあなたも好きですが、私はもっと別な部分に惹かれています
あなたの凛とした空気を纏う姿勢や、光を溜めた水晶のように煌く瞳、紫に艶めき風にたなびく黒髪、聞くだけで癒される甘い声
あなたの全てが輝いていて
あなたの全てを独り占めしたい
私だけのモノにしたい
そんな黒い感情さえも起こさせるほどに美しい
あなたの事が好きで好きでたまらない
今にもこの溜まった気持ちが溢れ出してしまいそうです
これを全てあなたに打ち明
「あら? 素敵な文章ね。あなたの紡ぐ言葉はいつも綺麗だし、人の感情を素直に表しているわね」
不意に後ろから声がして勢いよく振り返ってしまった
すぐ後ろには部長が立っていた
文字を打ち込むのに集中しすぎたせいで、私は部長が背後に立ったことにも気づいていなかった
「この後はどう物語が展開するのかしら?」
部長の質問に心臓が今までにないくらい早く打っている
「この後、告白をしてお付き合いの申し込みをするんですよ」
「まあ! それは楽しみね! どんな告白なのかも気になっちゃうわ」
私は口の中のツバを飲み込んだ
そして意を決して話し出した




