25 ご贔屓のあなた様へ
吉原に来ている
街でそれなりに店を大きくした親父の脛をかじりにかじってこんなところで遊んでいるのだ
それでもいい女に巡り会えたと思っている
今夜もこれからその女に会う
待っているとその女じゃなく店のものが来た
一通の手紙を預かって来たそうだ
とりあえず文を読んでみる
日々、こたえられぬほどのご愛顧
真にありがとうございます
先日は身請けのことや先の先まで考えてくださっていると聞き、本当に嬉しくて嬉しくて涙もこぼれそうでした
ですが、私はあなた様を知れば知るほど
また、あなた様が私を想ってくださるほどにあんまりにも怖くなってしまいます
あなた様には私なんぞよりも、もっと良いお方が必ずや居りましょう
私のことなどどうぞお忘れくださいませ
そして良いお方と巡り合ってくださいませ
これが私の切なる願いであります
どうぞ、お幸せになっておくんなんし
文を読み切り一息つく
これはまあ…… あれだよな……
将来は貧乏商人じゃ割に合わないといったところか
まあ、いい夢見せてもらったよ
ありがとな
そっちも達者でいてくれよ




