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綺羅星ラブレター  作者: 天使 かえで


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22 声の素敵なあなたへ

通っている高校では昼の休み時間に校内放送がある


放送部により学校行事の連絡や校内の出来事を伝えている


余った時間で音楽のリクエストを流したりもしている


僕は入学間もない頃、流れる放送に乗る先輩の綺麗な声に惚れて放送部に入部してしまった


もちろん入部動機は伏せているが、こんな不純な動機で入った僕にも丁寧に指導してくれる素敵な人だ


昼の放送は上級生の担当である


僕は何か役に立てる事はないかと考え、放送に曲のリクエストを送る


今日も教室のスピーカーから先輩の声が聞こえる


「リクエスト曲いただいてます。今流行のあの曲ですね。おや、リクエストにメッセージも付けてもらってるみたい。曲が流れてる間に読ませていただきますね、ありがとうございます。それでは皆様は音楽をどうぞ。」


先輩がそう言うとイントロが流れ始めた。


その直後、僕は耳を疑った。

いつもお昼の放送ありがとうございます


少しでも放送のお手伝いとなればと思ってリクエストを送りました


お役に立てたら嬉しいです


僕はこのお昼の放送時間が好きです


午前中に使った頭が放送を聴けば癒されます


それも先輩の声や喋り方がとても素敵だからです


放送が終わった後も、もっと聞いていたいくらいです


でもそれは無理なので、放送部の後輩としてもっと先輩のお手伝いできたらと思います


部活でもいつも分かりやすく指導していただきありがとうございます


少しでも部や先輩に貢献できるよう頑張ります


先輩のことが好きな後輩より

音楽が流れ出してから僕は教室を飛び出し、放送室へ向かって走っている


先輩は音楽を流しマイクを切ったつもりなのかもしれないが、あの綺麗な声が放送に乗っている


小さい声ではあるが手紙の内容を声に出して読んでいるようだ


僕が書いたメッセージがそのまま読まれている

声に集中して聴けばなんて言っているかもギリギリ分かる


急いできたもののほぼ読まれてしまった頃に放送室に着いた

リクエスト曲はまだ流れていて、先輩はまだマイクの前にいる


先輩はマイクをオフにして言った


「メッセージありがと。“好き”のところもうちょっと詳しく聞かせてほしいな」


そう言って悪戯っぽく微笑んでいた

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― 新着の感想 ―
わざとマイクを切らなかったのか気になります。
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