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ゲームメーカー  作者: あかはま
序章
1/2

後悔

いつもの朝。機械的な目覚ましが部屋になり響き、ベッドから少し見える窓の空は絵の具で塗りつぶされたような、綺麗な水色に染まっていた。

今日はサッカー部の朝練はなく、夕練だけだ。そして去年から、自分は部活の朝練以外にも朝に自主練をしている。ああ、正直自主練仲間が欲しい。

自主練から帰っていつものように学ランを着て、いつもの時間に家を出た。なんら変わりない朝。

授業をそこそこ聞いて、板書を写して、宿題をするだけ。こんなの何が面白いのだろうか。 

もし、サッカーを本気でしていなかった小学生の頃に戻れたらと自分の今までの選択を後悔する。上に広がる雲一つない青空とは正反対の気持ちだった。

学校についてからもそんな気持ちだった。今日はもう誰ともかかわりたくもなかったため、机に突っ伏して寝たふりをした。そんな自分を心配しているのか、そっとしておいてくれる。そんな親切が、罪悪感と共に自分にグサグサと刺さる。

いつもの学校、いつもの部活。その後は時間が走り去るように過ぎて行った。

部活でヘトヘトになった帰り道、日は沈みかかっていて、雲はオレンジと灰色、白色といかにも夕方といった感じだった。気が付くといつも通る小さな公園まで来ていた。小学生ほどの子供が入り混じって遊んでいる姿は何ともほほえましいものだった。「これが親の気持ちなのかなあ」と考えたのち、自分は思い出した。小学生時代、サッカー用語でいったらゴールデンエイジ時代、何かの本で「目標は口に出して言え」ということを何も考えず実践し、「俺、将来サッカー選手になる!」などと色々な人に言っていた。応援する人、軽蔑する人、笑う人、興味を示さない人などとさまざまだったが自分は言葉と行動が伴っていなかった。実際は家でゲームをしたり、外で友達と遊んだり、児童館に行ったりしていた。そんな過去の自分に言えるのならこう言いたい。と、いうか、忘れたがその前に周りに言われてたかもしれない。「かっこ悪。」「ださ。」と。本当にあの頃の選択には後悔している。もう変えられないやるせなさと悔しさと一緒に心の中でつぶやいた。「あの頃に戻れたら」と。「ポジションを奪い取れなかった中学一年生、サッカーを本気でできていなかった小学生時代に戻りたい」と。

自分で言って馬鹿馬鹿しいと思ったが、正直戻った所で同じ道を辿るのでは無いのだろうか。正直、今も本気でやっているかと言われれば違うと思ってるからだ。

仲が良かった友達は全員ジュニアユースに行ったし自分も遠くに引っ越してしまったためもう一言も話してない。(スマホを自分が持ってなかったからもある)

「ちゃんと言えば良かったな…」

アスファルトで固められた川の上、そこにかかっている橋に差し掛かった頃、思わず口に出た。

誰もいないからいいのだが、少し恥ずかしくなった。

風呂上がりに夕飯を終えた後、なんだか今日はスマホを見る気分ではないし、宿題も今用意するべき特別な持ち物も特にないので、久々に夜風にあたりにベランダに出てみた。

運良く雲が出ていなく、月が綺麗に見えた。その時、「もう一回やり直したいか?」と聞こえた気がするが自分も''その年だから''もう''その時期''に入ってるのだろうかと考え、風呂に入った後の暑さもなくなってきた。それから眠気に襲われたため、とりあえず寝ることにし、自室へと向かった。

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