9話 契約成立と初仕事
今日はこの後もう一話あげる予定です!
「よし!これで契約は成立かな!ほんとに大丈夫だよね?やめるならこれが最後だけど。」
「もちろんですよ。ここまできてやめるなんて言いませんから契約してもらって大丈夫です。」
ついに俺も正式に契約かあ、感慨深いな。
「早速だけど明日から仕事があるんだ。私としてはなるべく学校には行ってほしいからね、放課後に時間を作ってくれると助かるんだけど…。」
「放課後でいいならもちろん大丈夫です。場所はどこに行けばいいですか?」
街の地理もちゃんと覚えないとな…今日も由希がいなかったら無事に着けたか怪しいもんだよ。
「学校の前までスタッフに迎えに行かせるよ。モデルの仕事だから衣装とかも全てこっちで向こうが用意してるから特に準備とかはいらないからね。」
迎えに来てくれるならありがたいな。
「ありがとうございます。じゃあ明日は学校終わり次第連絡しますね。それにしても久々だからちょっと緊張するなあ。」
こっちと向かうじゃ勝手が違うだろうしなあ。てか普通に売れなかったらどうしようって不安もある。
「え、ハルでも緊張することってあるんだ…!」
由希ちゃん…俺だって人間ですよ…。
「遥がさ初めて撮影現場に来た時なんて落ち着かなくてキョロキョロしっぱなしだったからな!そのくせ緊張してないですけどねーみたいな感じでいるからみんな微笑ましく思ってたよ。」
え、そんな風に思ってたの!?そしてそれをあんまり言わないでくれよ…。
「えーかわいい!私も見たかったなあ…!」
「じゃあ明日の現場見に来るかい?流石にそこまでの初々しさはないだろうけどね。」
何を言ってるんだこの人は…
「え!い、いいんですか!?」
「ストップ!明日の現場はだめです!せめて次回にしてください!」
初回なんて上手くやれるかすら分からんからな。もし失敗したりしたら恥ずかしい。
「だそうだ。由希ちゃん悪いんだけど今度でもいいかな?彼もある程度慣れるまでは恥ずかしいらしいからさ。」
「はい!もちろんです!見学できるだけで夢みたいな話ですから!」
え、ほんとに来るの?嫌じゃないよ嫌じゃないけどさあ…。
絶対ミスできないよね。めっちゃ怒られたりしたら立ち直れないよ、俺絶対。
「お詫びじゃないけどさ遥くんのの初々しいエピソードを教えてあげようか!」
「え、いいんですか!向こうにいた期間はあんまり会えなかったですし、嬉しいです!」
わーしんどい。
この後大地が来るまで延々と俺の恥ずかしエピソードを話し続ける二人にはなかなかしんどかったな…。
ーー
そんなこんなで翌日俺は学校が終わり撮影現場に向かうため迎えの車を待っていた。
「今日撮るやつっていつ頃発売なんだろうね。私今から結構楽しみにしてるんだ!」
授業が終わり部活動の時間になったからか今は空き教室がかなりあるため俺たちはそこで話しながら時間を潰している。
「今回の撮影分はなるべく早く販売したいらしくてね。だから多分撮影が終わったら発表して販売まではどれくらいかは分からないけど多分そこまでかからないと思うよ。」
俺が知らないことをなんでこいつはいつも知ってるんだ…。
「今回のも売れてくれるといいんだけどな…。いざ帰国して出版してみたら全然売れませんでしたってなったらショックだよ…。」
「ハルさ、なんか今日はネガティブ…?体調悪いとかなら休んでもいいんだよ?」
「気にしなくていいよ、由希ちゃん。遥はね撮影前基本こうだから。しかも今日は日本で初めてだから緊張してるんだよ。自分に自信があるんだかないんだかほんとに分かんないよ…。」
逆になんでこいつらみんな売れる前提なんだ…?
俺には分かんないよ!なんでこの人たちみんな自分以外でもないのに自信持ってるんだよ!
「…ねえ大地くん、あれ大丈夫なの?なんかもう思い詰めたような顔してるけど…」
「はは、大丈夫大丈夫。あそこまでなるのは久々に見たけど定期的にああなるからさ。…っと連絡来たな。遥、校門前まで着いたってさ。そろそろ行こうか。」
大地のもとに到着したとの連絡が来たので俺たちは校門前へと向かう。
「お、来たね。待たせたかな?ごめんね。空港でも会ったけど山崎優香って言います!これから私が送り迎えなんかは担当させてもらうのでよろしくね!」
たしかに毎回送迎してもらうなら同じ人にやってもらったほうが俺としてもありがたいな。
「帰国してからずっとお世話になりっぱなしで申し訳ないですけど…これからもよろしくお願いします!」
「わーいい子…。こりゃ人気出ちゃうな…。っと!それじゃあ乗ってください!」
ついに初仕事か…!ここまできたら頑張るしかないな。
「それじゃあ由希ちゃん気をつけて帰ってね。俺も現場に慣れたら絶対招待するからさ。」
「うん!ありがと!ハルもがんばってね!」
そう告げると車は現場へと向かって出発した。
ーー
「宮島遥って言います!今日はよろしくお願いします!日本で仕事するのは初めてなのでダメな点なんかあればどんどん言ってください!」
俺たちが現場へと着いた時には全てのセッティングが終わっていて後は俺が到着すれば完了というところまで出来上がっていた。
正直一番乗りは無理でももう少し早く着くかなと思っていたが、かなり待たせたようだ。
「今日担当させてもらうカメラマンの星野です。よろしくね。」
なんでもこの人は日本じゃ有名なカメラマンらしい。
「じゃあ衣装なんかは向こうに用意してあるから準備してきてね。私たちも準備終わらせちゃうから。」
どう見てもこっちの準備は終わってるけど気を遣わないようにしてくれたのかな。プロ!って感じで怖い人かなって思ったけど優しそうでよかったよ。
スタッフの人に案内されて衣装やメイクなどの準備を終わらせて俺はスタジオに戻る。
「わあ…まじ…?」
「私も結構長いことこの業界やってますけどこんな人初めて見ました。」
「てか17歳でしたっけ?それでここまで雰囲気あるのがやばいっすね。」
不評だったらどうしようかと思ってたけど、これなら大丈夫そうかな?
「雑誌で見た時からあなたのことが気になってたの。でも生で見れてよかったわ。無理矢理にでもこの仕事ねじ込んでよかったって思うわ。これからもなるべく私に撮らせてね!」
いや褒めてくれるのは嬉しいけどカメラマンが写真撮る前から次の日撮影の話するのってどうなんだろうか…。
「やっぱり君ちゃんとすると雰囲気変わるよね…。普段からそれだと僕でも緊張しそうだからいつも通りゆるい雰囲気でいてよ。」
大地に関してはこれからかってるな。目がちょっと笑ってるし…。
「よし!じゃあポーズはこんな感じでやってもらおうかな。…目線はもう少しこっちに…」
その後は星野さんの指示通りにポージングを取ったりと撮影はアクシデント一つなく順調に進んだ。
「うん!いいね、ここまで納得のいく写真が撮れたのは初めてかもしれないよ。最初は顔と雰囲気だけで十分だったけど遥くんはこう、こっちの意図も理解してくれるからやりやすかったよ。それにその体作るのも大変だったでしょ。正直そこまで鍛えられた体を見るのは初めてだったよ。まぁスタッフが何人かダメージを受けたけどね。」
こういう褒められ方って結構嬉しいかも。周りに鍛えてる人もいないから正直体を褒められたことってなかったんだよね。
「けどこれは今回は出せないかな。なかなか刺激が強いからね、もっと君の名前と顔が売れてからのほうがいいんだ。商売的な話で申し訳ないけどね。あと撮っておいてあれだけど君さちょっと警戒心が薄いよ…。途中から指示したらなんでもやってくれそうで暴走しそうだったよ。」
「流石に俺も誰が相手でもってことはないですよ。星野さんだったら信用できるなって思ったからですからね?それに変な指示だったら従いませんし。」
「おお…やるね…。思わずぐっときたよ。君はあれだね、ちゃんとマネージャーをつけなよ。」
とはいえ実際いいのが撮れたなって自分でも感じる。今までは漠然としか理解していなかったけど今日初めてこの仕事について理解を深められたと思うよ。
「でも本当に星野さんと仕事ができて良かったです。またよければ一緒にやりましょう。」
「それは私のセリフかな。正直次の撮影が待ち遠しいよ、今からね。発売の時期とか決まったらすぐ連絡するよ。」
彼女は笑いながらそう言うと嬉しそうな顔をして俺のもとから離れて社長のところへと向かっていった。
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