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★8話 幼馴染が帰ってきた

タイトルに★が付いている回は主人公以外からの視点になってます


タイトルが7話になっていたので変更しています

私一条由希には二人の幼馴染がいる。一人は佐野大地くんといって物静かで優しく可愛らしい男の子だ。私にとっていろいろなことを相談し合ったりできる大切な友人の一人である。


問題はもう一人の幼馴染である宮島遥だ。元々小さい頃から整った顔立ちをしていて人の目を引く容姿をしていた。彼が海外に行ってしまってからは年に何度か会える程度になってしまったがそれでも会うたびにかっこよくなったことを覚えている。去年は私の進路のことなど忙しくなったことで私は彼のところへ行くことができなかった。そんな去年のある日ふと本屋に並んでいた雑誌を見るとそこには彼が写っていた。あの日の衝撃は今でもはっきり覚えてる。

そこに写っていた姿は目を疑うほどにかっこよくなっていたから。その日から私はずっと彼の幼馴染でありつつファンでもあった。


「そういえば遥くんと大地くん、あの二人帰ってくるらしいわよ。それで通う学校はどこがいいかって探してるって。あなたと同じところを勧めておいたんだけど。」 


突然母にそう告げられ私は一瞬理解ができなかった。そりゃいつかは帰ってくると思っていたがまさかこんなに突然だとは…。


しかし私は彼が帰ってくると聞いて少しだけ不安にも思ってしまった。それは遥が急激に遠い人のような気がしてしまったからだ。


そんな私の心配をよそに、彼は昔と変わらない笑顔で私のところへと来てくれました。それがどんなに嬉しかったか。


ただね!かっこよくなりすぎて困る…。それに知らないうちにお母さんもファンだった上に名前呼びされてるし!親子で取り合いとかは嫌だからね…!



そしてハルが初登校する日になりました。一緒に投稿できるなんて夢みたい!なんて思ってました、教室に入るまでは。


私はこの学校、少なくともこのクラスでは私が宮島遥という人間の大ファンであると認識されています。ええ、間違ってません。むしろ私は友達に雑誌を見せたりしてこのクラスの彼のファンは全て私経由といっても過言じゃないと自負しています。


問題は!それをハル本人には知られたくない!ということです。


だって普通に恥ずかしいからね、幼馴染が会ってない期間に自分のファンになってるってさ普通は引くからね。ハルくんは感覚がバグってるから喜びそうだけど、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。



そんなことを考えていると遥たちが教室に来ました。

ええ、大騒ぎです。早速囲まれてます。私も混ざりたいという気持ちと女の子たちに囲まれる遥を遠くから見る寂しさはありますが、それでもここで話しかけに行けばバレますからやめます。


なんて思ってましたよ。まさかあっちから話しかけてくるとは思ってなかったです。盲点でした。

だって普通あそこまで囲まれてるのに突破してここまで来ないでしょ!嬉しかったけどね!



そこからは囲まれる対象が私に変わりました。肝心のハルはフラフラとクラスの他の男子の方へと向かいました。


そこからは質問の嵐でした…。



「ねえ!ほんとに幼馴染なの!?ハルカ様と!」


「う、うん。ていうか伊織はハルカ様呼びなんだね…。」


「そりゃそうだよ!でもたしかにそれはなかなか危険な立場だね…。噂じゃハルカ様のファンはうちの先輩にも大勢いるし、幼馴染なんてポジションは嫉妬されるよ、絶対。」


だよね…それも嫌なんだよね。ハル本人にも迷惑がかからないといいんだけど。


「ねえ!遥くんって昔はどんな感じだったの?」

「恋人とかっているのかな?」

「好きなタイプなんか知ってる!?」


わー質問だらけ…これってそもそも答えていいことなのかな。


「えっと知ってることだけ言うなら恋人とかはいないはずだよ、好きなタイプとかは分からないけど。昔…前はもっとこうかわいいって感じだったかな…?幼かったしね。でも雰囲気とかは今とそんなに変わらないと思うよ。」


そう普段の雰囲気は昔の優しい感じそのままだ。それなのにあの爆イケの顔!ギャップがえぐい。


「ぶっちゃけもっとこうお高くとまった感じだと思ってたけど、めちゃくちゃ優しい雰囲気で惚れました…。」

「わかる…最初勢いで囲んじゃったけど全然不機嫌になったりしないでくれてほっとしたもん。男の子の中には女が苦手って人もいるし。」

「でも優しくてほんと良かったー。女嫌いじゃない男子って、ほら…特権意識とか差別的なとこあるじゃん…。私そういう人は苦手だからよかった。」


わかる…!け、けどここまで人気なのもちょっと複雑かな…?


「由希ちょっとこっち」


伊織が小声でそう言いながら手招きする。


「ね、ねえ由希ってさ、ハルカ様のこと好きだったりしないの?その、普通に男の子として?」


伊織が小声で聞いてくる。


「す、好きに決まってるじゃん…!子どもの頃からずっと好きだよこっちは…!だからさここまで人気になっちゃうとさ。嬉しいんだけど、寂しさもあるっていうか…。」


それに今は大事な時期だしさ、私がこう一緒にいたりすると邪魔かなって気もするんだよね。


「嬉しいよ私は!由希ってほら、中学の時の件もあるじゃない。だからさ、ちょっと心配だったんだ…別に男の子のことを好きにならなきゃいけないとは思わないよ。でももしハルカ様のことまでさ、生身の男性としては苦手になっちゃってたら辛いんじゃないからなって。よかったあー由希がただ幼馴染のことめちゃくちゃ好きなだけってわかって!」


伊織…心配かけちゃってたかな。私もハルがあの人達みたいになってたらどうしようって不安は正直あったんだよね。だからほっとしたというかさ。


「伊織、ありがとね。伊織がいてくれてよかったよ。けど本人にハルカ様呼びは嫌がられるかもよ。」


「え!だめかな!で、でもほんとに緊張するんだもん…。由希は慣れてるかもだけどさ、私たち一般人にあれは刺激が強いよ…!」


うん、まぁお母さんもリンもときめいてたしね。ていうかリンは平然としてるけどあれから私の持ってる雑誌を私に隠れて熱心に読み始めたし…。


「由希、今日の帰り二人で一緒に帰ろうって誘うべきだよ!他の女への牽制も含めてね!絶対狙ってる人いるよ!」


「む、無理だよ!登校とかは口実があったからいけたけど…帰りは理由がないもん…。それに断られたら立ち直れない…。」


「え、登校一緒だったの…?じゃあ絶対いけるじゃん。てかめちゃくちゃ仲良いじゃん!」


「伊織!声が大きいって!で、でも二人じゃないんだよ?大地くんと三人だったからさ。それに初日って理由もあったし…。」


「誘わないと絶対取られるよ…!このクラスの子たちは由希が大ファンなのも知ってるし幼馴染ってのも今日わかったけどさ。先輩達とかは知らないし、知ってても遠慮とかしてくれないからね。」


う、うんそれはそうだ…。いろんな男子と付き合ってるって噂のめちゃくちゃモテる先輩とかもいるし…絶対そこには勝てない気がする…。


「わ、わかったよ…!聞いてみる。断られたら慰めてね…?」


「任せてよ!」



ほんとに大丈夫かなあ。絶対楽しんでるよね…?


先生が帰ってきて今日はもう終わりだと告げた。



さて、ここから男の子たちで固まってるところへ話しかけに行くというハードルの高さ…!


意を決してハルの元へと向かう。


「は、ハル!一緒に帰らない…?無理にとは言わないけど…。」


自分でも顔が熱いのがわかる。


「もちろんだよ。あ、けど風間さんのとこ寄らなきゃいけないけど大丈夫?」


え、いいの!?


「もちろん!あ、でも私がついていっても大丈夫なのかな?」


絶対邪魔じゃない?てかそもそもだめじゃない?部外者だよ?


「多分ね、それに由希に聞かれて困るようなことは特にないしよければついてきてほしいよ。あ、大地はどうする?お前も帰るでしょ?」


あ、嬉しい。てかちょっとキュンとしました。大地くんと一緒に来てください!改めて二人は緊張します!


私は目で必死にアピールする


「いや、僕は今日ちょっと寄るところあるから、先に行っててよ後で向こうで合流するから。」


うん!伝わらなかった!け、けど二人でいいならめちゃくちゃ嬉しい…!大丈夫かな?変な顔になってないかな!


「うーんじゃあまあ二人で帰るか?嫌じゃなければだけど。」


「も、もちろん!嫌なんて全然!まさかこんな日が来るなんて思ってなかったもんね!」


ハル側が嫌じゃないなら私が嫌なはずないです!


「まあ確かにな。同じ学校なんて小学校以来かな?俺もこっちに戻って由希がいてくれてよかったよ。」


泣いていいですか。これで好きになるなって方が無理じゃない?昔からさこういうところあったけどさ、年々顔面が強くなりすぎてキャパオーバー。


「よし、じゃあ行こうか!」


「うん!」


これは夢じゃないですよね?もう夢でもいいや。

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