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3話 幼馴染との再会

「おはよう!ハルくん!起きてください!」


帰国した翌朝、俺はかわいい妹である栞ちゃんのモーニングコールでたたき起こされた。


うん、かわいいよ、かわいいんだけどね。昨日は帰国そうそうに空港で囲まれるわで疲れてるんだ…。もう少しだけ寝かせてほしいな。


俺のそんな思いが伝わったのか栞が少し呆れた声で言う


「もう11時だよ?お母さんも寝かせてあげなさいって感じだったけど、今日は由希ちゃんのところに行くんだよね?そろそろ起きた方がいいよ。」


「え、そんなに寝てた!?やっばいな…。それは確かに準備しなきゃだよ。」


午前中には家を出るくらいのつもりでいたんでけどな。これはたしかにまずい。


「まずは朝ごはんでしょ…?お母さんが起きたら教えてって言ってたから私はリビング戻るね。着替えたらそのまま降りてきて。」


「あ、うん。ありがと。」


なんかめちゃくちゃ大人になってる…。てか俺が成長してない?もしかしてこのままじゃやばいかも…。





「おはよう遥。遅かったわね、よく眠れた?」


朝起きて家族がいるってのはやっぱりいいな。


「おはよう母さん。最高だったよ、やっぱり家は落ち着くね。」


リビングへと降りてくると母さんが食事を作って待っていてくれた。こういう瞬間が帰ってきたなってことを実感するよ。


そして栞はソファーでくつろいでいる。うん、これが実家だよね。


俺は二人と談笑しながら食事をしながら俺のいなかった間の話なんかを聞く。昨日は大地の家族や風間さなんかもいたから聞けなかったこともあるしな。


「それで俺がいない間になんか大変なこととか大きなことはなかった?」


「んー栞の中学入学くらいかなあ。あ、でもこっちでもネットなんかであなたのことが話題になっていたのよ。それを栞に見せられた時は驚いたわ。あなたからは全然聞いてなかったし、さっちゃんからも雑誌に載りますくらいしか聞いてなかったもの。」


さっちゃんていうのは風間幸子、つまりは社長さんです。


たしかに俺は特に説明しなかったなあ…。


「私だって学校で友達に見せられてびっくりしたんだから!この人知ってる?って聞かれてさ、知ってるよ!って感じだったもん。それにこの一年でびっくりするほど背が伸びてたからさ、一瞬ほんとに私のお兄ちゃん!?って感じだよ。あ、由希ちゃんに会うのもしばらくぶりでしょ。絶対由希ちゃんびっくりするよ!」


ここ一年で背が伸びたのは自分でも流石に分かってる。一時期ほんとに膝が痛かったしね。


「んーでも背は伸びたけど他はそんなに変わってないでしょ?まあ大人っぽくなったのは否定しないけどね。」


「うーん…まあ大人に…なったのかな。…雑誌で見たときは大人の雰囲気だったけど…いまはむしろ子供っぽい気が…」


こーれはまずいやつです。はっきりは聞き取れないけどさ、はっきり肯定されない時点でダメだと思うんだ…。


「遥、話が盛り上がってるのはいいんだけどそろそろ行かなくていいの?もう12時過ぎよ。」


「あ、やば!ごめん、じゃあそろそろ行ってくるね!」



ーー

こんな感じで家を飛び出したわけですが思ったより余裕で由希ちゃんの家までついてしまった。


うーんいざ家まで来ると久々で緊張するよ。家まできたのなんてほんとに何年振りだ?ていうか相変わらずでかい家だな。


こんなことを考えていると後ろから話しかけられる。


「あらーもしかして遥くん?宮島遥くんでしょ?」


誰かと思っていたら由希のお母さんか!


「あ、はい!ご無沙汰してます。今日は由希さんいるかなって、昨日会えなかったんで。会いに来ちゃったんですけど迷惑じゃなかったですかね?」


このひとに会うのも日本を出るときが最後だったからな。由希はたまにうちの家族に着いてきてくれたりして会ってたけど。


「大歓迎よ!由希ならもちろんいるわよ、あの子昨日からそわそわしっぱなしなんだから!さ、入って!」


よかった歓迎されてるみたいで。覚えられてなくて帰ってくださいなんて言われたら立ち直れなかったな。


「それにしても本当にかっこよくなったわねー!昔から顔は整ってたけど、こう雰囲気が男の子って感じになったわ。」


由希のお母さんについていくと綺麗な女性が部屋の前に立っていた。


「奥様、そちらが宮島遥様ですか?お嬢様はまだ部屋にいるので呼んできましょうか?」


「ええお願い。それにしてもまだ寝てるの?せっかく遥くんが来てくれたっていうのに。」


「いえそれが…昨夜全く眠れなかったようで…。それで朝方になって眠気が来たらしく…。」


うん、聞いていい話なのか分からないけどかわいいね。でもこれ本人的には聞かれたくない話なんだろうなってのはわかるよ!


「ごめんなさいね、あの子も会えるのを楽しみにしてたのよ。」


「あ、はい。それはなんとなく話を聞いてたらわかりました。けどなんかちょっと照れますね…。」


緊張してたのが俺だけじゃなくてよかったよ。


「これはまずいですね…。不覚にもキュンとしました。お嬢様がこれに耐えられるとはとても思えませんが…。ましてやお嬢様はここ一年近くお会いしていないと聞いてますし…。」


「そうね…。由希が最後に会ったときよりかっこよくなってるだろうことは間違いないわ。け、けど最近あの子雑誌を毎日のように眺めていたから多少は耐性がついているはずよ…。」


二人が突然こそこそと話し出した。


やめてよ!そういうのちょっと不安になるんだよ!特に女の人のそういうのはさ!


なんてことを思っていると誰かが階段を下りてくる音が聞こえてくる。


「お母さん!リン!もうハル来た!?何着たらいいかな!気合い入ってるって思われない程度に気合の入った服を着たいんだけど…」

そう言いながら由希ちゃんが階段を降りてきた。


こーれはまずいやつだね。俺でもわかるよ。そして由希ちゃんの顔がみるみる赤くなっていく。ここは何を言うべきだ…?


「あー…やあ久しぶり。元気だった?えっと由希ちゃんは何着ててもかわいいと思うよ。」


俺がそう言うと由希ちゃんはさらに顔を赤く染めて再び階段を駆け上っていった。


「あーあ…我が子ながら同情するわ…。リン、様子見てきてあげて。…遥くん、ごめんなさいね。まだ時間かかりそうかも。」


「いえ…大丈夫です。タイミング悪かったですよね…。元気そうではあったんで安心しましたけど。」


「タイミングが悪かったのはあの子の方よ。あーでもパジャマ姿で出てきたことには触れないであげてね。」


流石に俺も久しぶりの再会がパジャマだったら恥ずかしいからな。もちろん触れませんとも。


「二人が戻ってくるまでリビングでお話しててもいいかしら?私も話したいことがあるもの。この雑誌のこととかね。」


あーそれ向こうで撮ったやつか。風間さんがこっちでも売ってたって言ってたな。


「おばさんもそれ知ってたんですね。けど改めてそう言われると恥ずかしいなあ…。」


「ふふ、これ見たときは本当に驚いたわ。一年くらい前かしらね。それと私のことは昔みたくお母さんって呼んでもらってもいいのだけど?」


「それはちょっと恥ずかしいですよ…。僕ももう大人になったんで。…じゃあ美月さんって呼んでもいいですか?これなら僕も恥ずかしくないんで。」


昔、間違えてお母さんって呼んでからこうやってからかわれてたな…。


「あら嬉しいわ。けどあんまりいろんなところでその調子だと危ないのよ?最近は男性離れなんて話もあるけどやっぱり誘拐や性犯罪なんかも聞かないわけじゃないわ。遥くんも自分は大丈夫なんて思わない方がいいわ、あなたかなり魅力的だもの。」


お、おおなんか照れるな…。真剣な話なのは分かっているけどさ!こう正面から褒められると弱いんです…。


そんなことを話しながら俺が出た雑誌のことや向こうでの生活なんかについての話をしていた。


「ああ!なんかお母さん近くない!?」


そんな声がして俺は慌てて振り返ると由希が部屋へと入ってきた。


「あらそんなことないと思うけど。あなたが遅いから話し相手になってもらってたのよ。それにそんなことはいいから早く話したら?」


そう促されて由希ちゃんは少し不満そうな顔をしつつも俺の前まで来る。


「は、遥…その久しぶり…。それとさっきのことは忘れてくれる…?さすがにちょっと恥ずかしいからさ…。そ、それになんか前よりかっこよくなったね…。」


え、かわいいんですが。そして顔を赤くした由希ちゃんを目の前にするとこっちまで照れてくるなあ。


「もちろん、俺は何も見てないよ。それと久しぶり。元気だった?」


「うん!あ、あのね、ハルが帰ってきたら話したいことがいっぱいあったんだ!」


さっきまでの緊張した表情から一転、明るく笑う彼女に今度は俺の方が緊張しそうだ…。







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