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2話 実家に帰ると実家が一番

家までの道中、車内で俺はこれまでのこの国での様子を聞いた。なんでも俺が海外にいる間にやっていたモデル活動が掲載された雑誌を風間さんの事務所でこっちでも出版していたらしく、どうやらそれがとても好評だったらしい。そのうえなんでも俺はAIなんじゃないかという説まで出ていたとか。


それであのファンの子は泣いていたわけだろう。AIだと思ってた男が実際は生身だったわけだしな。


「とにかくさ、自分の状況分かった?君は結構なファンがいるってこと。これからの生活は気を付けてね。と、まぁつまんない話はここまでかな、そろそろ家着くよ。大地くんはどうする?このまま宮島家に一緒に降ろしていいのかな?」


「はい、そうしてください。家族からも遥の家で待ってるって連絡来てるので。」


俺たちの親の仲もいいし急遽出迎えも来れなくなったって言っていたことからみんなで俺の実家にいる可能性は高いだろう。大地が俺について留学してくれるってなった時も反対されなかったからな、恩でしかない


「よしじゃあ降りようか、私も挨拶くらいしなきゃだからな。」


うーん久しぶりの実家だなー!もうすでに懐かしく感じるよ。そしてちょっとだけ緊張する…。


風間さんが代表してチャイムを鳴らすと少しして誰かが出てきた。


「あらー!もう着いたのね!さ、早く入って!みんな待ってるわ。あ、お帰りなさいね遥くん。」


自分でも寂しいとは思っていたが、想像していたよりもずっと寂しさを感じたらしい。


俺は母さんの出迎えに少し泣きそうだった。





ーー


家に入ると大地の家族含めみんなが揃っていた。


「ハルくん!お帰り!みんな待ってたんだから!」


こちらは僕のかわいいい妹である栞ちゃんです!  いやしかしちょっと会わない間に成長するもんだよな。すっかり大人っぽくなったよ。


「ただいま、栞ちゃん。背伸びたね、一瞬わかんなくなりそうだったよ。元気だった?って言っても半年ぶりくらいかもだけど。」


「うん!でもやっぱりちょっと寂しかったけどね!これからは一緒に暮らせるんだよね…?私いっぱい一緒にやりたいことあるんだー!」


わあ、かわいい。確かに年に何回かしか会えてなかったからな。それも向こうだと思うように行動できないこともあったしな。それにしても良かった嫌われてなくて…。


「もちろんだよ!それに俺も寂しかったからね。」


そう言って俺が頭を撫でると嬉しそうにこちらに擦り付けてくる。


「はいはい、二人で話すのはいつでもできるでしょ。それに玄関先で話してないでこっちに来なさいよ、いろいろとみんなも話したいことあるんだから。」


風間さんにはほんとにお世話になったからな…。頭が上がらないです。


俺たちは部屋に入り適当に椅子に座るとみんなと近況なんかを話し合った。ある程度話し終わった頃に母さんが俺に質問をしてくる。


「えっと遥はこっちでも芸能活動を続けるの?私としては続けることには賛成だけど、もし嫌だったりしたらいつ辞めてもいいのよ。」


俺はひとまず母さんが俺の芸能活動に反対していないことにほっとする。正直家族が反対するなら辞めようと思ってたし。


「はいはい!私も賛成!だってハルくん前より断然かっこよくなったもの!私の学校でも大人気だよ!」


おーまさかそこまでだとは思ってなかったな。身内のひいき目でも褒めてもらえると嬉しいよ。


「じゃあ引き続きうちで活動してもらっても大丈夫かな?正直よそにやるのは惜しくてね。もちろん遥さえよければだけど。」


「もちろんですよ。風間さんには散々お世話になってますから。ここでよそになんて考えられないですから。」


俺と大地だけで異国の地になんて絶対無理だったからな。まあそもそも母さんの友人だった風間さんがいなかったら海外に行くなんて発想すらなかったけどな。


「そう!よかったわ!今からあなたが引退ってなったら大変だったからね!内心バックバクだったよ…流石に親が反対だったらどうしようもないからさ。」


とはいえ俺普通に学校とかには通うつもりだけどいいのかな?あれ?俺そもそもこの感じで普通に通うとかできるのかな…。


「あ、そういえば遥、あなた早めに由希ちゃんのところに顔出して来なさいよ。ほんとは今日来る予定だったけど空港には行けなかったじゃない。それで家では家族で過ごしてほしいって来なくなっちゃったから。気を遣うことはなかったんだけどねえ…。」


そういえば由希のとこにも顔出さないとな。もう一年近く会ってないか?忘れられてないといいんだけど…。


「あなたたち二人が通う学校も由希ちゃんと同じとこなのよ。二人ともいきなり日常生活を送るのも大変かもって思ってあの子にあなたの面倒を見てくれるように頼んでるからそのお礼も言いに行きなさいね。」


たしかにサポートあるのは助かるけどさ…俺ももう17歳ですよ…。そして海外生活すら成し遂げてますからね。舐められたもんだよ。


「学校に通う準備もしなきゃいけないだろうから、しばらく仕事は休みでいいよ。ただその代わりちゃんと帰国したんだから挨拶くらい行くんだよ?こっちにも友達とか会いに行きたいひととかいるでしょ?」


会いたい人…あれいないかも…。 友達って言われても…大地に、由希に…。 あ、向こうでできた友達なら結構いる! 考えるのやめようか…悲しくなるからね。


「と、とりあえず明日にでも由希に会いに行くよ。俺も会いたいと思ってたんだ。大地も行くだろ?」


「いや僕は今回はパスするよ。先に行きたいところがあるんだ、明日は遥だけで行くといいよ。」


んーまあそう言われたらしょうがないな。なんか久しぶりに会うってなると緊張するから一緒に来てほしかったんだけど…。


「あ、そういえばテレビつけよっか。さっきのことニュースになってるって。」


そう言って栞がテレビをつけた。そしてそこでは俺たちの帰国のニュースが一瞬だけ放送されていた。俺たちが空港のエントランスから車に向かうところの映像が何度も繰り返し流されてそれに対してスタジオにいるコメンテーターみたいな人がコメントしている。

正直何が面白いのか分からないが栞は喜んでいたからよしとしよう。


「あーやっぱり軽くニュースになってたか…。ほんとは極秘での帰国なはずだったんだけどなあ…。こうなると早めにこっちでも活動しなきゃまずいかな。引退説とか出ると面倒だしね。」


わー客観的にみるとこんな感じだったのか。スターへの道の第一歩かな!サングラスとかかければ良かったかなー!


「遥ってさあ…なんかのんきそうだけど、君ちゃんと気を付けてね。治安がいいって言っても危険がないわけじゃないからね?」


大地くん、その目は何でしょうか…。あーれ大地くんだけじゃないですね…!栞ちゃんだけが俺を優しい目で見てくれるよ。あれでもこの場合の優しい目って…。


「私からも忠告だけどね、変にファンの子にサービスしたりするのはやめてね。何があるかわからないんだから。」


うーんファンって言ってくれるのは嬉しいからなあ…。無視したりするってのはちょっと…。


「不満なのはわかるけどね、せめて今度正式に契約してからなら大丈夫だからさ。」


まあ確かに俺は今は普通に一般人だからな。一般人にファンがいる時点で一般人が怪しいところはあるけどこれはしょうがないかな。


「まあまあ!今日はせっかくのお祝いだものそんなに難しい話は置いておいてさ、楽しみましょ!」


母さんの言う通りだな、今日は楽しむかあ!


読んでいただきありがとうございます!

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